猫アレルギーから喘息になる?喘息の特徴と猫を飼う時の注意点を詳しく解説

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/06/24
猫を触ったり猫と同じ空間にいると、せきが出たり息苦しくなったりすることがありますか? もし、そのような状況にあったら、喘息かもしれません。 「今まではどうもなかったのに」と思う方もいるでしょうが、アレルギーが原因の喘息は突然症状がでることがあります。 この記事では喘息と猫の関係性や喘息の症状・発作時の対処法や治療法を解説します。 家族や自身に気になる症状がある方は、ぜひ最後までお読みください。
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目次

喘息の原因になるアレルギーについて

成人喘息患者の約6割は、アレルギーが原因で症状が出現しています。

喘息は原因を知ることがとても重要な病気です。

喘息の原因となる物質や、なぜ猫が喘息の原因になるのかを解説します。

喘息の原因 アレルゲンは何がある?

アレルギー反応を起こす物質のことをアレルゲンといいます。喘息になりやすいアレルゲンはダニやカビ、昆虫、ペット、花粉などです。

成人の喘息では6割の方がアレルギーが原因とされています。しかし、どのアレルゲンに反応するかは個人により違います。[1]

自身のアレルゲンが何かを調べることが大切です。

自身のアレルゲンがわかることで喘息の対策をとることができます。アレルゲンを特定するには、血液検査でわかります。

猫の毛がアレルギーの原因?

猫の唾液や体の表面にはフェルディワン(Fel d 1)という物質があり、この物質がアレルギーの主な原因です。

ほかには、猫の毛に付着したダニやホコリなどがアレルゲンになります。

猫アレルギーについて

猫の毛や体液にアレルギー反応を示して、アレルギー症状が現れます。 具体的にどのような症状があるのでしょうか。 

猫アレルギーの症状と猫アレルギーから喘息になるかを詳しく解説します。

猫アレルギーの症状

猫アレルギーの症状は、以下の通りです。

  • 目のかゆみ

  • 鼻水

  • 目の充血

  • くしゃみ

  • せき

  • 皮膚のかゆみ

  • 発赤

今まで猫と接触してアレルギー症状が現れなかった人でも、急に症状が現れる場合もあります。 アレルギー症状は原因となる猫から離れられれば、改善していくでしょう。 

しかし猫を飼っている人は、アレルギーの原因が猫か他の物質かを知り、治療することが大切です。

アレルギーが重症化すると、呼吸困難に陥るなど命にかかわることもあるため早めに病院を受診しましょう。

猫アレルギーから喘息になる?

猫アレルギーの人でも重度になれば喘息になる可能性があります。 

咳が続き、息苦しい場合は喘息の可能性が高いでしょう。喘息ではなくても、乾いた痰がでない咳が続く咳喘息という病気があります。

咳喘息は、喘息特有のゼーゼー、ヒューヒューという呼吸はしませんが、放置すると喘息に移行することもあります。

早く治療を開始することで、喘息への移行を防ぎます。 早めに病院を受診しましょう。

喘息がある人は猫を飼うことは可能?

猫を長年飼っていて急に喘息症状が現れる人もいます。「今まで喘息なんてなかった のに」と思う方もいるでしょう。 

また、もともと喘息を持っているけど、猫が好きで飼いたいと思っている方もいると思います。 喘息がある人は猫を飼えるのか気になるところですよね。

重症な喘息発作は命にかかわることなので、自己判断せず主治医に相談しましょう。

喘息である人が、猫を飼えるのかについて解説します。

猫・ダニアレルギーがある人は猫を飼わないほうがいい

喘息を持っていて猫アレルギーがある方は、猫を飼わないほうがいいでしょう。 

猫の毛・唾液にアレルゲンが含まれているため、喘息発作を引き起こすことが考えられます。 

また、猫の毛にはダニがつきやすいです。ダニアレルギーを持っている人も喘息症状が起こると予測されています。 

喘息を持っている猫・ダニアレルギーの方は、猫を飼わないほうがいいといえるでしょう。

猫アレルギーで喘息の人がどうしても猫を飼わなければならない場合

喘息の人が新たに猫を飼うことは、喘息症状の重症化する可能性を考えてやめておいた方がいいと言えます。

しかし、すでに猫を飼っている場合で、猫アレルギーと喘息を発症してしまった方もいるでしょう。 

今まで飼っていた猫を手放すことはできず、困っている方もいるのではないでしょうか。 

猫アレルギーで喘息の人が猫を飼うときの注意すべき点を説明します。

必ずダニ対策をする

具体的なダニ対策は以下の通りです。

  • ダニは湿度が高いところを好むため加湿はさける 

  • 十分な換気をする 

  • こまめに掃除を行う 

  • カーペットやじゅうたんの使用はさける 

  • 畳はフローリングに変更する 

  • エアコンは最低でも年2回、使用直前に掃除する 

  • エアコンはホコリがたまりやすいため週1回は掃除する 

  • 布製より革やビニール製のソファを選ぶ 

  • ぬいぐるみはよく洗濯するか置かないようにする 

  • 布団はよく干してシーツは防ダニ加工のものを使用する 

  • ベッドの高さは30㎝以上がよい

喘息と猫アレルギーを持ち、どうしても猫を飼う場合は、ダニを増やさない対策をしましょう。[1] 

猫のケアもこまめに

ダニ対策とともに猫の毛に対しても以下のような対策が必須です。

  • 十分な換気を行う 

  • 猫が過ごす部屋は特にこまめに掃除する 

  • 猫のシャンプーは1〜2週に1回行う 

  • 猫のダニ・ノミの治療薬を使用する

  • 猫のブラッシングはこまめに行う

  • 猫を触った手で目や鼻、口を触らないようにする

  • 猫を触ったら手を洗う

アレルゲンとなる猫の毛とダニを排除することが大切です。

猫が入らない部屋を作る

猫が過ごす部屋とは別に、猫が入らない部屋を作りましょう。 

とくに、寝室は猫が入らないようにします。 

寝室に猫が入らなくても、一緒に過ごせば気をつけていても多少は服や体に猫の毛が付着してしまいます。 

寝室の掃除もこまめに行い、アレルギー対策として寝ている場所の頭側に空気清浄機を設置しましょう。

喘息の症状

咳が続く病気は喘息以外にもあります。しかし、アレルギーがあることや夜間から朝にかけて咳がでる人は喘息の可能性が高いでしょう。 

喘息の特徴的な症状や、猫アレルギー特有の症状があるのかについて紹介します。

喘息の特徴的な症状

喘息の主な症状は、「ゼーゼー、ヒューヒュー」となる呼吸です。

咳が長時間続くと呼吸困難になる可能性があります。

また、夜間から朝にかけて症状が出やすかったり、季節の変わり目に症状が出やすかったりする方が多いのも、喘息の特徴といえるでしょう。[2]

猫アレルギー特有の喘息症状はある?

猫アレルギー特有の症状というものはありません。猫アレルギーの症状は花粉のアレルギー症状とよく似ています。 

咳が続き、息を吸った時にゼーゼーヒューヒューと音がしたら喘息の可能性があります。

そのような症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

喘息の治療法とは

喘息の治療には、気管支の炎症を抑える薬は「吸入ステロイド薬」炎症が起きて狭くなった気管支を広げる「気管支拡張剤」があります。

そのほかに喘息発作時に吸入する薬剤があります。それぞれの治療薬について詳しく解説します。

喘息の長期管理薬とは?

喘息の長期管理薬とは、気管支の炎症を抑える吸入薬と気管支を広げる薬を使用して喘息発作を予防します。 

使用をはじめると症状は改善していきますが、自己判断で薬をやめてしまうと再び発作がでることがあります。 

自己判断で薬を中断せず、治療を続けましょう。 

治療によく使われる薬は以下の通りです。[1] 

薬の種類

形状

作用

薬品名


副腎皮質ステロイド

吸入薬

喘息治療の中心になる薬

パルミコート・フルタイドなど

飲み薬

炎症を抑え、全身に働く薬

プレドニゾロンなど


長時間作用性β刺激薬

吸入薬

交感神経を刺激し、

気管支を広げて

呼吸をしやすくする薬

セレベント

貼り薬

ホクナリンテープなど

吸入ステロイド/

長時間作用性β刺激薬

吸入薬

ステロイドと気管支を広げる薬が配合された薬

アドエア

シムビコートなど

長時間作用性抗コリン薬

吸入薬

気管支の収縮を抑える薬

スピリーバ

吸入ステロイド/

長時間作用性抗コリン薬/長時間作用性β₂刺激薬


吸入薬


気管支を広げる、気道の炎症を抑える、気管支の収縮抑制


テルリジー

ロイコトリエン受容体

拮抗薬


飲み薬

気管支拡張、気道分泌物の抑制

オノン

キプレス

シングレア

発作時の治療薬

喘息発作が起きて呼吸が苦しいときに使用するのが「発作治療薬」です。 発作治療薬は気道を広げる薬で、炎症を抑える薬ではありません。 

使用する薬は、必ず炎症を抑える長期治療薬を使用しましょう。

[2] 

薬の種類

形状

作用

薬品名


短時間作用性β₂刺激薬


吸入

交感神経を刺激して

気管支を広げる薬


メプチン・サルタノール

SMART療法について

SMART療法は吸入薬のシムビコートを使用する治療法です。定期的な吸入と追加(発作時)の吸入を、すべてシムビコートだけでおこないます。

定期吸入と追加吸入について説明します。

  • 定期吸入
    毎日定期的に吸入し、喘息発作が起きないように気道の炎症を抑える効果があります。

  • 追加吸入
    喘息発作時(ゼーゼー、ヒューヒューする呼吸や息が苦しいなど)に吸入し、気道の炎症を抑えて気道を広げます。

シムビコートには気道の炎症を抑え、気道を広げる効果があります。通常は定期吸入と追加吸入をあわせて8吸入までですが、一時的に1日に12回まで吸入が可能です。

医師の指示通りに吸入を行いましょう。

Q&A

猫アレルギーと喘息の関係について4つの質問に答えます。

猫の毛は喘息に悪いですか?

猫の毛はアレルギーの原因になるアレルゲンになります。 

また猫の毛にはダニが寄生しやすく、ダニもアレルゲンになることがあります。猫やダニアレルギーの方は猫の毛が喘息の原因となるため、注意しましょう。

喘息の人はペットを飼ってもいいですか?

喘息の人は基本的に、ペットを室内で飼わないほうがいいでしょう。 犬や猫・ハムスターなどの毛や体液が、アレルギーの原因になる可能性があります。 

またペットには、ダニが寄生しやすいことからダニアレルギーの方もペットを飼うのはおすすめできません。

自分が喘息かわかる方法はありますか?

喘息は以下のような症状が特徴です。 

  • ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸 喘鳴(ぜんめい)がある 

  • せきが続いて呼吸が苦しくなる 

  • 症状が夜間から朝にかけて起こることが多い 

  • 季節の変わり目に症状が出やすい 

当てはまる症状があれば喘息の可能性があります。 気になる症状がある方は、早めに病院を受診しましょう。

猫の毛は喘息の原因になりますか?

猫にアレルギー反応を示す場合や、猫の毛に寄生するダニにアレルギー反応を示す人は喘息の原因になります。

まとめ

成人の喘息患者の約6割がアレルギーに関与する喘息といわれています。 

猫の毛や唾液にはフェルディワン(Fel d 1)と言われる物質が含まれており、アレルギーの原因と言われています。

また猫の毛に寄生するダニにアレルギー反応を示す人がいるため、猫アレルギーでなくても猫を飼うときは注意が必要です。 

喘息の特徴的な症状は、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)と咳がでると息が苦しくなること、夜間から朝にかけて症状が出やすいなどがあります。 

治療は症状が改善したからといって自己判断で中断しないことが大切です。 喘息の人が猫を飼うことは、基本的におすすめできません。 

どうしても猫を飼う場合は、室外で飼うようにする、室内飼いの場合は寝室に猫を入れないなど気をつけましょう。また、ダニ対策も必要です。 

【参考文献】

[1] 独立行政法人環境再生保全機構 成人ぜんそくの基礎知識 治療

[2] 独立行政法人環境再生保全機構 成人ぜんそくの基礎知識 もしかして喘息と思っている 方へ  

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