血圧管理におすすめのアプリは?【iOS(iphone)/ Android 対応】

公開日: 2024/01/04 更新日: 2024/05/22
血圧管理は、毎日のことなので快適に行いたいですよね。 手帳やノートでの管理が一般的ですが、最近ではアプリを使って便利に管理出来ることをご存知でしょうか。 付随する様々な機能を利用すると非常に便利です。 このページでは、血圧管理に便利なヘルスケアアプリとその機能をご紹介します。
目次

血圧管理が重要なのは何故?

血圧管理が重要だと言われるのはなぜでしょうか。

喩えるならば、心臓はポンプ、血管はポンプから全身に向かうホースです。ポンプから、全身の臓器にホースを通して水を送っています。

このホースに高い圧がかかり続けると、一部が膨れしまう動脈瘤や、傷んだホースが変性してしなやかさを失ってしまう動脈硬化という症状、そして破裂することにより脳出血が起こるかもしれません。

また、高圧に負けないように送り出さねばならないポンプもまた無理をして、壊れてしまう危険性が高まります(心不全)。

つまり、高血圧によって、血管はもちろん、血液を送り出す心臓や、血管を含む全身の臓器が障害される恐れがあるということです。

そのため、血圧を適切に管理することは非常に重要なことなのです。

血圧に関する用語 測定値の書き方

ここで血圧の一般的な表記と用語を確認しましょう。

例)120 (1) / 70(2) mmHg (3)

  1. 収縮期血圧(最高血圧):心臓が収縮して血圧を送り出した時の血圧のこと
  2.  拡張期血圧(最低血圧):心臓が弛み拡張しているときの血圧のこと
  3.  mmHg:単位はミリメートル水銀柱、ミリメートルマーキュリーと読みます。

そもそも血圧管理とは一体何のこと?

そもそも血圧管理とは一体何のこと?血圧管理とは、中長期的な視点で目標範囲内に血圧をコントロールすることです。

そのために、日々の血圧測定、血圧ノート(※)への記録、そして時に医療機関を受診し、生活週間の改善や、処方薬の内服などを行います。

※高血圧治療の場合には、医療機関で手書き用のノートが渡されます

血圧管理の手順

血圧計で血圧を測定する

血圧は様々な条件で変化します。

例えば、食事や喫煙、ストレス、運動、就寝といったことでも変動します。だからこそ、正しくいつも同じ方法で血圧測定を行うことが重要です。

以下に正しい測定方法をご紹介します。陥りがちな注意点などを確認しましょう。血圧測定の時の基本姿勢は、座位です。椅子に腰掛けて1−2分まずは、リラックスしましょう。

緊張していると血圧が高く出てしまいます。1−2分経っても緊張していれば5分程度まで延長しても構いません。椅子には背もたれがあると尚良いです。

両足を地面につけて血圧を測定します。それでも普段の血圧より著しく高く出てしまうようであれば仰向けの姿勢で少し休んで測定しましょう。

マンシェットが肘にかからないようにしましょう、肘にかかると正しく測定できません。マンシェットの正しい位置は、上腕です。上腕動脈の拍動を感知する必要があるためです。

容易に変動するからこそ、可能な限り条件を揃えることで、血圧管理の質を高めることが出来ます。時間帯は、起床時と就寝前の決まった時間帯に測定しましょう。

しかし、入浴後や階段昇降後など血圧が変動しているおそれがある場合には、時間をおいて測定することが重要です。

高血圧ガイドラインでは、原則2回1セットで血圧測定することが推奨されています。つまり、朝の血圧は、朝2回測定したものの平均値ということです。

しかし、忙しい場合などで1回しか測定していない場合にはその値を採用しましょう。

血圧ノートに日々の血圧を記録する

各回の血圧の測定値も重要ですが、血圧は緊張や運動で容易に変動するため、評価する際は、時間的な幅を持って平均的な値や変動を見ることが重要です。

そういった評価を可能にするのがこの記録です。手間がかかりますが、血圧管理の肝だと理解してください。

血圧をコントロールする

血圧を目標とする範囲にコントロール出来るように、必要に応じて生活習慣の見直し、内服薬などを調整します。

血圧が高い場合の血圧コントロールは、医療機関を受診し、医師の指示のもとで行いましょう。高血圧の基準は次に述べる通りです。

高血圧の基準

測定値の評価については、当ホームページの高血圧のページにわかりやすくまとめておりますので、ここでは簡単にご紹介します。

  • 正常血圧
    診察室血圧  収縮期血圧<120 mmHg  かつ 拡張期血圧< 80 mmHg
    (家庭血圧) 収縮期血圧<115 mmHg  かつ 拡張期血圧< 75 mmHg
  • 高血圧
    診察室血圧   収縮期血圧>140 mmHg  かつ 拡張期血圧> 90 mmHg
    (家庭血圧)収縮期血圧>135 mmHg  かつ 拡張期血圧> 85 mmHg

実際には、正常血圧と高血圧の間には高値血圧という境界にあたるものや、高血圧にもその程度によってⅠ度からⅢ度までの分類があります。

診察室血圧と家庭血圧についてご説明します。血圧が容易に変動するということはお伝えした通りです。

これは診察でも同様で、普段と異なる環境、特に血圧が評価対象となると考えられる病院での測定では、緊張のため通常より高くなってしまいます。

このため、診察室血圧と家庭血圧は分けて考えるのが一般的です。血圧管理をする際には、基本的には家庭血圧を基準にコントロールします。

これは、生活している時間のほとんどは普段通りのリラックスしている状態であると考えられるためで、特殊な状況である病院で測定した血圧を基に管理すると血圧を下げすぎる恐れがあります。

血圧を正確に測定できるアプリのおすすめは? (無料 / 有料)(iphone/android)

残念ながら、現在、スマホで血圧測定できるアプリは有料無料問わずありません。あくまでも測定した値を記録して管理するアプリがあるのみです。

しかしながら、記録、管理ができるアプリは使ってみると非常に便利です。

血圧管理アプリの便利機能 記録・管理が簡単に!

では、血圧管理アプリには具体的にどのような機能があるのでしょうか。様々な便利機能をご紹介します。

記録① 測定した血圧のデータ入力が簡単に(Bluetooth接続で連携すれば自動的に転送)

まず、血圧を簡単に記録できます。ノートやペンを取り出す必要がありません。

スマホに入力しておけば、いつでも参照でき、医療機関を受診した際にも医師に診てもらいやすく便利ですね。

アプリによっては、血圧計と連動して、測定次第データが自動で転送され、記録されるものもあります。

記録②  変化や平均値の推移が一目で分かるグラフ化

血圧の推移を見やすくグラフ化できます。週単位、月単位、年単位といった推移もすぐにグラフ化できます。

測定値だけを追っていてはなかなかイメージしづらいこともあるかもしれませんが、期間を変えてグラフ化することで普段の血圧管理がうまくいっているかどうか一目で分かりますよ。

血圧測定の時間を登録しておけばリマインドも可能

リマインド機能を使えば、測定忘れや、時間のばらつきを防ぐことができます。

なるべく条件を統一して測定することで血圧管理の精度が向上することは前に述べた通りです。薬の内服なども併せてリマインドすることで、内服忘れも防ぐことが出来ますね。

血圧アプリで体重管理や家族の健康管理も正確に(体重管理、家族の血圧管理も記録・共有可能)

家族の分も併せて記録でき、体組成計と連動させることで、体重や体脂肪率なども同一アプリで管理出来るものもあります。

血圧管理におすすめのアプリ【iOS(iphone)/ android(アンドロイド)】(無料/有料)

無料の血圧管理アプリでも有料版と遜色ないほど多機能なものがあります。人気の血圧管理アプリ3選をご紹介します。

血圧管理アプリ① OMRON(オムロン)connect (iphone / android)

オムロンの血圧アプリ 体重や体脂肪率までまとめて管理できるアプリ

OMRON connect対応機器が必要ですが、Bluetooth®︎通信で、血圧計の他、体組成計なども連携することが出来ます。

自動で転送・記録されるため、手入力の手間がなく、正確性も担保されるため、非常に便利ですね。また、血圧管理アプリに定番のグラフ化機能もついています。

なんといっても最大の魅力は一つのアプリで手入力なしで様々な健康管理が出来てしまうことでしょう。

普段の生活で測定を取り入れさえすれば、自動で、しかも整然とデータが蓄積されるのは気持ちがいいものです。注意点としては、それぞれの計測に専用の機器が必要なことです。

アプリ自体は無料ですが、OMRON connect対応機器の購入が必要で、どれも一般的な機器より高機能ではありますが、やや高価なため、予算と相談しましょう。

実は、OMRON connectは、他のヘルスケアアプリと連携することが出来ます。

例えば体重管理や、食事管理は他のアプリで行いたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。こういったケースでも、データの引き継ぎなどで連携可能です。

例として挙げられるのは、Appleのヘルスケア、Googlefit(Androidのみ、連携できるデータは体重のみ)、カロミル(iPhoneのみ)、あすけんダイエット、ルナルナ体温ノート、ラルーンです。

現時点で、合計50以上のアプリに測定データをエクスポートできます。

但し、連携先アプリによって、連携できるデータが異なるため、お使いのアプリがある場合には予めチェックすると良いでしょう。

血圧管理アプリ② EPARKお薬手帳アプリ(iphone / android)

お薬手帳アプリに血圧も記録可能

「EPARKお薬手帳アプリ」はお薬手帳アプリですが、朝夜二回の測定値を入力すると自動でグラフ化してくれます。血圧管理アプリとしてはシンプルなつくりになっています。

とはいえ、家族登録機能を搭載しているため、例えば介護を要する高齢のご家族の血圧管理なども併せて行いたい場合などにも便利ですね。

本来の機能は、薬局予約、お薬登録、家族登録、服用カレンダー・残薬チェック、予防接種記録です。

もともとお薬手帳アプリとして完成されているアプリなので安心して利用できるでしょう。

内服薬とその服用状況、血圧の記録が同じアプリに記録されていることで、医師も参照しやすくなっており、内服薬の投与量調整などに役立つことが期待できます。

他にも予防接種の記録が出来るため、小さなお子様がいる場合や、コロナワクチンの管理をする上でも重宝します。

肝心のお薬登録機能は、自分で薬剤名を登録する必要はなく、利用する薬局をアプリ上で登録することで記録される仕様になっており、手間がありません。

血圧管理アプリ③ 血圧ノート(iphone / android)

血圧変化を記録!自動でグラフ化

血圧の他、体重や睡眠、エクササイズ、睡眠時間、服薬まで管理出来るため、幅広く健康管理に役立ちます。

非常にシンプルなアプリですが、使い勝手が良いと人気の無料アプリです。また、高血圧治療ガイドラインに沿った降圧目標値の設定機能も搭載しています。

複数人のデータを分けて管理することが出来るため、介護が必要なケースなど、自身では管理が難しい方に代わって管理する場合にも有用ですね。

肝心の血圧管理画面は、指定した期間(1週間や1ヶ月など)での平均値や最大値、そして変化量がひと目でわかる仕様になっています。

記録をレポート形式でメールとして送ることも出来ます。病院受診の際や、定期的な健康管理のタイミングで改めてまとめ直す必要がないと好評です。

また、Appleのヘルスケアアプリとの連携も可能なのはiPhoneユーザーには嬉しいポイントですね。

珍しい機能として、ストレッチやエクササイズの提案、睡眠に関しては、睡眠を専門とする医師が監修したアドバイスを週替わりでチェック出来る機能があります。

スマートウォッチで血圧測定が可能に?

スマートウォッチでは、脈拍数やカロリー計算もできますが、最近のモデルでは、血圧測定ができるものが販売されていることをご存知でしょうか。

これらの多くは、脈拍と血流の変化を測定して、血圧値を推定する仕組みをとっています。

簡便ですが、考慮すべき様々な要因が考慮されておらず、計算によるところが大きいため、あくまでも目安の値であり、誤差が生じやすいことを念頭に置いておく必要があります。

オムロンのスマートウォッチならば測定誤差知らず!?

アプリの項目でも登場したオムロンから販売されているのは、血圧測定が可能なスマートウォッチHeart Guideです。

Heart Guideは、本来の血圧計と同様にカフの圧力によって手首の動脈血圧を測定することが出来ます。

そのためよりその他のスマートウォッチと違い、正確に測定出来ることが魅力です。

米国と日本で電子血圧計として認可されていることからも、その測定値が信頼できるものと評価されていることが伺えます。

スマートウォッチ Galaxy Watch 5 の血圧測定機構が医療機器として認定

オムロンのものと異なり、こちらはセンサー式の血圧測定機構ですが、マレーシアでは、医療機器として認可されています。

しかし、日本では、医療機器として認められていないために、同商品を購入しても心電図機能と、血圧測定機能については制限されているのが現状です。

アップルウォッチにも搭載予定!?

バイオセンサーはアップルウォッチにも搭載されているため、近々アップルウォッチにも血圧測定機能が搭載されるのでは、と期待されています。

いずれにしても、日本で正式に使用することができるようになるには、Galaxy Watch同様、医療機器としての認定がなされてからになると考えられるため、まだ先の話になりそうです。

血圧管理での利用を前提に考えると測定値の精度は非常に重要な要素です。課題である正確性はぜひクリアしてほしいものです。

非接触式のセンサーによる血圧測定が話題に

最近では、電波を応用して、非接触式に血圧測定を可能とする技術が開発されています。

小型センサーが電波を出し、その前に立っている人の血圧を数秒のうちに測定するというものです。

電波が、心臓の動きによる体表面のわずかな動きを捕捉し、心拍の周期などを解析して血圧を計算します。

「非接触式」となると気になるのはその精度ですが、一般的な血圧計との誤差は5%未満という驚きの正確さです。

コロナウイルス感染症の流行もあり、非接触式のデバイスのニーズが高まっている昨今、実用化され、医療機関で導入されるのもそう遠い話ではないかもしれませんね。

Q&A

スマホで血圧が測れるアプリは?スマホで血圧を測る無料アプリは?

スマホで血圧測定が出来る(無料)アプリは現時点ではありません。現在利用できるいわゆる血圧管理アプリというものは、血圧の記録が出来るものです。

血圧をスマホで測る方法とは?

スマホで血圧を測定する方法は、現時点ではありません。

血圧を測る携帯は?

血圧を測る機能を有した携帯はありません。血圧を測定できる機能を持ったデバイスとしては、スマートウォッチが挙げられます。

まとめ

血圧管理におすすめのアプリとしては、現時点では血圧測定機能を持つものはなく、記録に役立つアプリが主です。

また、血圧記録アプリの便利な機能として挙げられるのは次の5つです。

  1. 測定値の自動記録

  2. 測定値のグラフ化(月単位、年単位等)

  3. 測定タイミングのリマインド機能

  4. その他のヘルスケア項目の一括管理

  5. 他のデバイスと連携

今回例示したアプリについてその魅力と注意点を挙げます。

魅力

注意点

OMRON connect

・OMRON connect対応機器での測定値を自動記録可能

・各分野のメジャーなアプリと連携可能

(その数50以上、Appleのヘルスケア含む)

・信頼出来る電子機器メーカーのアプリ

・アプリは無料だが、OMRON connect対応機器が必要

・OMRON connect対応機器は非対応機器と比べ、やや高価

EPARKお薬手帳

・シンプルで見やすい

・複数人の血圧管理も可能

・お薬手帳アプリとして完成されている(薬局利用や服薬管理に便利)

・測定値は都度手入力が必要

・他のアプリほど幅広くヘルスケアに対応していない

血圧ノート

・幅広く健康管理が可能(体重、睡眠、エクササイズ、服薬等)

・複数人の血圧管理も可能

・Appleのヘルスケアと連携可能

・アプリを通してストレッチ、エクササイズや睡眠の専門的な提案が受けられる

・測定値は都度手入力が必要

上記のアプリはいずれも無料アプリで、グラフ化可能という共通の魅力を有しています。

今回は、血圧管理アプリとスマートウォッチについて解説しました。是非、ニーズに合ったアプリやデバイスを使用して、快適に血圧管理を行いましょう。

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