新型コロナウイルス感染症に関する最新の対応方法や規定について

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/09/13
このページでは、新型コロナウイルス感染症に関する最新の対応方法や規定についてお伝えしています。
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目次

新型コロナウイルス感染症について

日本において約 2,200万人(人口の約 18%)が新型コロナウイルス感染症と診断されており、いまだに新型コロナウイルスは増殖・流行を繰り返し少しずつ変異し続けています。

ウイルスの特性の変化やワクチン接種の進捗に応じて、これまでも感染者全員入院からの転換や国民の行動制限や経済活動の制限の見直しを行うなど、状況に応じて対応方法(政策)が変化してきました。

いざ自分や家族が体調不良に陥った時、どう対処したら良いのかわからない、自身の知っている情報が正しいかどうかわからない等困らないためにも、正しい対処や判断基準をここでは解説していきます。

体調不良(新型コロナウイルス感染症の疑い)になったら

前提として、2022年9月26日から全国一律で感染症法に基づく医師の届出(発生届)の対象を 4類型に限定し保健医療体制の強化、重点化が進められることになっています。

※発生届の対象者

  1.  65歳以上の方
  2. 入院を要する方
  3. 重症化リスク(慢性腎臓病・慢性閉塞性肺疾患(COPD)・糖尿病・高血圧・心血管疾患・肥満(BMI30以上)・喫煙)があり、かつ、新型コロナ治療薬の投与又は酸素投与が必要な方
  4. 妊娠されている方

ここでは、新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合の対処方法について解説していきます。

一般用検査薬(検査キット)

一般用抗原検査キット(OTC)として承認されたのは以下の参考リンクの製品でインターネット等で購入可能です。「第1類医薬品」の表示が目印です。

一部のネットショップで「コロナ 検査キット」等と検索すると、厚生労働省では承認されていない検査キットが表示されます。

誤って購入しないように、検索ワードに「品目名」を入れて検索する等して、製品写真等を参考に承認された抗原検査キットを選択しましょう。

また、抗原検査を含めた検査方法も今年に入り改定された部分もあるため、違い等を解説していきます。

※参考)一般検査薬リンク

 ①PCR検査

PCR検査といえば保健所で実施するイメージが強いですが、現在では保健所を経由することなく、医療機関が民間の検査機関等に直接依頼できるようになったため、保健所以外でも検査が可能となっています。

また、医療機関の医師が必要と判断して行う検査(行政検査)は、検査に係る費用(検査料及び検査判断料)について、医療保険及び公費により賄われ、患者さんの自己負担はありません。

ただし、初診料等、検査に係る費用以外については、患者さんが自己負担する部分があります。検査を行っている施設等をまとめると次のとおりです。

通信販売等でもPCR検査キットは購入可能ですが、PCR検査以外の方法でも検査ができますし、郵送対応などで時間がかかるため近くのPCRセンターもしくは医療機関での検査が望ましいでしょう。

‐ 区市町村のPCRセンター

‐病院、診療所(新型コロナ外来、診療・検査医療機関等)

また、かかりつけの病院であっても新型コロナ外来を行っていないところがあるため、医療機関に行く前に電話で確認を行うか、以下の都道府県別の新型コロナウイルスに関する相談・医療の情報や受診・相談センターの連絡先に確認の上、受診するようにして下さい。

厚生労働省認可の検査キットがお手元にある場合はオンライン診療による受診をするという選択肢もあり、負担の軽減が可能となります。

※参考)各都道府県における医療の情報や受診・相談センター

②抗原検査キット(抗原定性検査)

抗原検査定性検査は、採取した検体を専用の試薬に混ぜて、検査キットに滴下して判断する検査です。

抗原定性検査では陽性か陰性かの判別だけをします。

検査キットに含まれる抗体が検体に含まれる抗原をキャッチしてキット上に線として現れると陽性と判断します。

単に抗原検査と呼ぶときはこちらを指していることがほとんどです。

市販されているコロナウイルスの抗原検査キットはこの抗原定性検査を実施しているのがほとんどです。

また、医療機関で実施しているインフルエンザの検査もほとんどがこの抗原定性検査です。

特徴としては、特別な機械は必要なく、15~30分程度で検査が可能であることから簡易検査、迅速検査などと呼ばれることもあります。

一方で、検体に含まれる抗原量が少ない(ウイルスが少ない)と見逃してしまう恐れがあるというリスクもあります。

また、検査キットの説明書に書かれている時間より多く経過してからチェックしても線が出ることがありそれを見て誤って陽性と判断してしまうケースもあるため、市販されているキットを購入して自ら検査される場合は時間の経過に注意が必要です。

 ③抗原定量検査

専用の機械によって抗原が検体にどれくらい含まれているかを調べる検査です。

基準値を超えれば陽性、超えなければ陰性です。

例えば、陽性基準値が 20だとして、定量結果が50なら間違いなく陽性、25だと発症初期のためまだ反応が弱いが多分陽性だろう、15だと陰性だが陽性転化する可能性があるため明日の再検査が必要、5だとはっきりと陰性、というような数値による具体的な判断ができるため、診断の精度が高くなります。

抗原定量検査も抗原定性検査同様に検査時間は 30分程度で可能です。また、PCR検査と同程度の正確性があると報告されています。

しかし、検査に専用の機械が必要で、既に他の感染症などの検査に専用の機械を利用していることが多いことからコロナウイルスの検査としてはあまり普及していないのが実態です。

参考までに各種検査の特徴を表1 にまとめます。

検査種類抗原定性検査抗原定量検査PCR検査
調べるものウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原)ウイルスを特徴づける遺伝子配列
精度検出には、一定以上のウイルス量が必要抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる
検査実施場所検体採取場所で実施検体を検査機関に搬送して実施検体を検査機関に搬送して実施
判定時間約30分約30分+検査機関への搬送時間数時間+検査機関への搬送時間

表1 各種検査の特徴について

新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たら

新型コロナウイルス感染症の陽性であった場合における、1)で触れた発生届および自治体支援の例、療養方法、療養期間をここでは解説していきます。

発生届について

原則、発生届の必要な方は重症化リスクを含んでいるため、医療機関を受診し医師の指示に従い、保健所から連絡を待ち、保健所を通じ療養方法を決めていきます。

発生届対象外(入院が必要な方は除く)の方は、抗原定性検査キット(国が承認したもの)でセルフチェックし、検査キットで陽性の場合には、各自治体が設置している健康フォローアップセンターに連絡をする事で、すぐに自宅療養を開始できます。

また自治体によっては、陽性者登録センターへ自身で登録することで、様々な支援を受けることが可能です。

健康フォローアップセンター(陽性者登録センター)について

ここでは東京都を例に支援の内容を解説していきます。

支援内容は自治体によって異なるため、事前に自身の自治体のHPなどを確認して支援内容を確認しておくと良いでしょう。

特に食料は陽性登録センターへ登録したからといって、即日に届くとは限らないため災害対策と同様に事前に 5 ~ 7 日分程度を用意しておくと、より安心できます。

東京都では医師の診断した結果が陽性であった場合、陽性者登録センターへ登録をすることができます。

※自宅で医療用抗原検査キット等の検査で陽性疑いと判明した方は、オンラインで申請していただき、申請された情報をもとに医師が診断した結果が陽性の場合、センターに登録されます。

※陽性者登録センターでは、薬の処方は行っていないため持病などの処方薬が必要な場合はオンライン診療などで薬の処方および配送を行ってもらう必要があります。

①My HER-SYS(マイハーシス)による健康観察

My HER-SYS(マイハーシス)とは、陽性者ご本人等がスマートフォンやパソコン等で自身や家族の健康状態を入力できる健康管理機能です。

自動音声に従って電話による入力も可能です。

My HER-SYS(マイハーシス)による健康観察は健康状態を把握し、適切なフォローを行うための仕組みです。

②食料品の配送

同居されている方や知人から買い物の支援を受けられない方、またはインターネット通販や宅配サービス等での食料品の調達が難しい方など、食料の調達が困難な方に療養中、必要な食料品を配送してもらうことができます。

※希望者は陽性者登録センターへの登録申請時にあわせて申告が必要です。

また、原則 1世帯1セットまでとなっています。

※療養期間の残日数によっては、対象にならないことがあります。

③ パルスオキシメーターの貸し出し

自宅療養中に、自身で血中酸素飽和度(SpO2)を測定する際に使用する医療機器です。以下の図2のとおり重症度の判定に活用されます。

また、自身で気が付かないうちに症状が重症化している場合もあるため、定期的な測定が重要と なります。

※希望者は陽性者登録センターへの登録申請時にあわせて申告が必要です。

④ 都の宿泊療養施設への入所

コロナの症状があり、重症化リスクの高い基礎疾患のある方や同居の家族に重症化リスクのある方や妊娠されている方が居て早期に隔離が必要な場合には都が用意した施設での宿泊療養が可能です。

宿泊療養施設には、看護師が24時間常駐しており、健康観察・健康相談を行うことが可能です。

また、体調に変化がある場合には、医師とのリモート相談を行うことができ、必要に応じて医療機関を受診もしくは入院することが出来ま す。

※希望者は陽性者登録センターへの登録申請時にあわせて申告が必要です。

⑤ 感染拡大時療養施設への入所

無症状又は軽症の陽性者を対象とした施設で、立川駅近郊の立飛・高松にある感染拡大時療養施設を利用することが可能です。

男女別棟で、シャワー・トイレは共用ですが、自室から出ることができ、パブリックスペースでくつろいだりすることもできます。

家族への感染が心配な方などが利用できます。

※希望者は陽性者登録センターへの登録申請時にあわせて申告が必要です。

⑥ 自宅療養中の相談

自宅療養サポートセンター(うちさぽ東京)において、自宅療養者本人が、体調の変化に気づいた際の相談や療養中の困りごと等に対応しています。

(登録がない方でもご相談が可能です。)

※参考)自宅療養サポートセンター(うちさぽ東京)

自宅療養者フォローアップセンター(陽性者登録センター)への登録について

受付時間は 24 時間(土日祝も受付)しており、オンラインによる申請となります。

対象者ごとに、申請方法が異なるため各々を解説していきます。

① 自主検査等で陽性反応が出た方

自宅等で抗原定性検査キットを使用して検査した方やPCR検査会場で検査した方で、医療機関の医師の診断を受けていない方の登録申請先は以下のリンク先になります。

自主検査または検査会場等で陽性反応が出た方

② 医療機関で陽性診断を受けた方

医療機関の医師の診断を受けて陽性と診断された方で、都の支援サービスを希望される方の登録申請先は以下のリンク先になります。

※抗原定性検査キットを使用し、自身で検査した方やPCR検査会場で検査した方で、検査後に医療機関で医師の診断を受け、陽性の診断を受けた場合は以下の登録申請を行って下さい。

医療機関で陽性診断を受けた方

療養期間について

療養期間は症状の有無、入院の有無によって変わります。ここでは療養期間について解説していきます。

① 自宅療養もしくは宿泊施設療養を行っており、新型コロナウイルス感染症の症状がある場合(軽症)症状が出た日から 7 日以上の経過かつ症状軽快から 24 時間以上経過すれば、療養解除となります。

② 自宅療養もしくは宿泊施設療養を行っており、新型コロナウイルス感染症の症状が無い場合(無症状)症状が出た日(陽性反応が出た日)から 7 日間経過すれば、療養解除となります。

ただし、5日目に検査キットで陰性反応が出た場合は、その時点で療養解除となります。

③ 入院している方(中等症以上もしくは医師の判断で入院となった方)や高齢者施設に入所している方は、症状が出た日から 10日以上の経過かつ症状軽快から72 時間以上経過すれば、療養解除となります。

※ここでは、症状が出た日とは検査陽性が出た日を指します。

※症状軽快:解熱剤を使用せずに解熱しており呼吸器症状が改善傾向にある場合。

※症状がある場合は 10日間、症状が無い場合は 7日間が経過するまでは、感染リスクがあるため、不要不急の外出は避ける・高齢者や重症化リスクのある方との接触を避けるなど、自主的な感染予防行動の徹底をしてください。

参考)新型コロナウイルス感染症の療養期間・待機期間目安ツール

濃厚接触者について

濃厚接触者とは、新型コロナウイルス感染症の患者と感染可能期間において、患者が入院、宿泊療養または自宅療養を開始するまでに接触した方の中で、以下のいずれかに該当する方のことをいいます。

  • 同居あるいは長時間の接触(車内・航空機内等を含む)。
  • 適切な感染防護なしに新型コロナウイルス感染症患者を診察、看護もしくは介護した。
  • 患者の痰や体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い。
  • 手で触れることのできる距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策無しで、新型コロナウイルス感染症患者と 15 分以上の接触があった。

※周囲の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断されます。

※感染可能期間とは

-患者が発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状(発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など)を呈した 2日前から退院または宿泊療養・自宅療養の解除の基準を満たすまでの期間。

-無症状病原体保有者の感染可能期間は、陽性確定に係る検体採取日の2日前から退院又は宿泊療養・自宅療養の解除の基準を満たすまでの期間。

※必要な感染予防策:周辺の環境や接触の状況等個々の状況 に応じて行われることになるが、飛沫感染予防として 患者が適切にマスク(現状においては、布マスク含む)を着用していること、接触感染予防として患者が接触者との面会前に適切に手指消毒が行われていること。

濃厚接触者に対する対応について

濃厚接触者は、「自分が発症する可能性」と「無症状でも他人に感染を拡げる可能性」があります。

同居のご家族などが新型コロナウイルス感染症と診断され、「自分は濃厚接触者かもしれない」と思ったら、体調悪化を防ぎ、感染拡大を防ぐため、自身の体調管理と健康観察期間中の外出の自粛を徹底しましょう。

また、濃厚接触者の特定や行動制限などの指針も変更されているため、ここでは濃厚接触者に係る特定や行動制限の変更・同居家族等の健康観察期間の考え方・事務所における対応・健康観察期間中の過ごし方について解説していきます。

参考)濃厚接触者判断チェックリスト

濃厚接触者に係る特定や行動制限の変更について

オミクロン株が主流である間においては、感染者が発生した場所毎に濃厚接触者の特定や行動制限を実施するかは、自治体の判断で決定することとされました。

自治体毎で新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者に係る特定や行動制限については各自治体のHP等で確認をして下さい。

参考)東京都における濃厚接触者の特定及び行動制限について

同居家族等の健康観察期間の考え方

陽性者の発症日(無症状の場合は検体採取日)または住居内で感染対策を講じた日、どちらか遅い方を 0日目として 5日間(6日目解除)とします。

なお、抗原定性検査キットにより 2日目と 3日目に検査を行い、陰性が確認された場合には、3日目から待機を解除することが可能となっています。

濃厚接触者の同居家族の待機期間終了後も、陽性者の療養が終了するまでは、引き続き検温等、自身による健康状態の確認やリスクの高い場所の利用や会食等を避けること、マスクを着用すること等の感染対策を講じて下さい。

事務所における対応について

経済への影響を考え濃厚接触者の特定はしない、というのが厚生労働省の方針となっています。

方針に則り、事業所(ハイリスク施設等を除く)等において陽性者が発生した場合に、原則保健所への連絡は必要ありません。

ただし、陽性者が複数名発生するなど、施設内において感染が拡大していると考えられる場合、保健所に感染防止対策等について相談することは可能です。

※ハイリスク施設:医療機関、高齢・障害者施設

陽性者と接触があった場合の対応については、事業所等で感染者と接触があったことのみを理由として出勤を含む外出を制限する必要はありません。

陽性者と事業所等内において接触があったと考えられる場合については、以下の①から③までを参考に対応して下さい。

① 事業所等で感染者と接触のあった者は、接触のあった最後の日から一定の期間(目安として7日間)はハイリスク者との接触やハイリスク施設への訪問、不特定多数の者が集まる飲食や大規模イベントの参加等の感染リスクの高い行動を控えるよう事務所内に周知を行う。

※ハイリスク者:高齢者や基礎疾患を有する者等、感染した場合に重症化リスクの高い方

② 事業所等で感染者と接触があった者のうち、会話の際にマスクを着用していないなど、感染対策を行わずに飲食を共にしたもの等は、5日間の外出自粛や 3日目の自主的な検査実施など、当該従事者に対し感染防止対策の実施を依頼する。

③ ①または②いずれの場合であっても、症状がある場合には診療・検査医療機関を受診するか自主検査を実施するように促して下さい。

健康観察期間中の過ごし方について

健康観察期間中の過ごし方は以下の①~③となります。

① 不要不急の外出や周囲の方との接触は控えてください。

止むを得ない場合は、マスクの着用と手指衛生などの感染予防策を必ず行って下さい。

② 同居者がいる場合は、以下の点に注意してください

– 家庭内ではタオルの共用を避け、可能な限り空間を分けて生活してください。

– 咳エチケット(マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、肘の内側などを使って口や鼻をおさえる、マスクの着用等)の遵守、石けんと流水での手洗い、アルコール消毒を心掛けて下さい。

‐ 手を触れる共用部分は、次亜塩素酸ナトリウム又は濃度70%以上のアルコールで消毒しましょう。

– 鼻をかんだティッシュや使用した使い捨てマスクは、すぐにビニール袋に入れて、密封して廃棄して下さい。

③  1 日2 回(朝・夕)体温測定をし、ご自身で症状の有無を確認してください。

発熱、咳、息苦しさ、強い倦怠感などの症状に注意し、症状がみられたら、診療・検査医療機関を受診するか、自主検査を実施しましょう。

新型コロナウイルス感染症の治療薬について

当初、日本においては抗インフルエンザウイルス薬として承認されているファビピラビル(製品名・アビガン)が新型コロナウイルス感染症へ効果のある薬として2020年10月に富士フイルム富山化学が承認申請を行いましたが、厚生労働省の専門家部会は「効果が確認できない」として承認を見送りました。

現在では重症度別に治療薬を使い分けています。

ここでは、主な治療薬と特徴を解説していきます。

レムデシビル

元々エボラ出血熱の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬。ウイルスのRNAを合成する酵素プロテアーゼを阻害することで増殖を抑える薬剤です。  

販売名:べクルリー

製造元:ギリアド

薬効:抗ウイルス薬

対象疾患:エボラ出血熱

モルヌピラビル

RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬。

ウイルスの増殖を防ぐ効果があり、日本では2021年12月に新型コロナに対する初の経口抗ウイルス薬として特例承認されました。

販売名:ラゲブリオ

製造元:MSD

薬効:抗ウイルス薬

対象疾患:ー

ニルマトレルビル/リトナビル

ファイザーが開発した抗ウイルス薬で、代謝を阻害して効果を高めるリトナビルを併用します。

販売名:パキロビット

製造元:ファイザー

薬効:抗ウイルス薬

対象疾患:ー

ソフトビマブ

新型コロナウイルスに対する中和抗体。重症化リスクの高い軽症・中等症の患者が対象となります。

販売名:ゼビュディ

製造元:グラクソ・スミスクライン

薬効:中和抗体

対象疾患:ー

カシリビマブ/イムデビマム

2つの中和抗体を組み合わせて使う抗体カクテル。新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質に結合し、抗ウイルス作用を発揮します。

販売名:ロナプリーブ

製造元:中外製薬

薬効:中和抗体(抗体カクテル)

対象疾患:ー

バリシチニブ

サイトカインによる刺激を伝えるJAK(ヤヌスキナーゼ)を阻害する薬剤。

新型コロナウイルス感染症は重症化すると、サイトカインストームと呼ばれる過剰な免疫反応に重篤な臓器障害を起こすことが知られています。

バリシチニブは免疫異常による炎症を抑える作用を持ち、日本では中等症から重症の患者を対象に、入院下でレムデシビルと併用します。

米国ではレムデシビルと併用しない投与も認められています。

販売名:オルミエント

製造元:イーライリリー

薬効:JAK阻害薬

対象疾患:関節リウマチ

トシリズマブ

サイトカインの一種であるIL-6(インターロイキン-6)の作用を阻害することで炎症を抑える薬剤。

免疫異常による炎症を抑制し、重症患者の症状を改善する薬剤です。

販売名:アクテムラ

製造元:中外製薬/スイス・ロシュ

薬効:抗IL‐6抗体

対象疾患:関節リウマチなど

まとめ

 新型コロナウイルス感染症に感染した際の対応方法や濃厚接触者について、治療薬について最新の情報を解説しました。

2019年12月にはじまった、コロナパンデミック時より柔軟な対応になってきたことがわかります。

「with コロナ」といわれる背景にもあるように、新型コロナウイルス感染症が広まったとしても、経済活動が止まらないように緩和されてきていることがわかる一方、刻々と対応方法が変化しており、対応をどうして良いのか判断を迷うこと、知らないことも多くあることがわかります。

いざという時に困らないためにも、最新の情報を常に知れる環境を整えておくことも重要です。

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参考文献

  • 厚生労働省 HP
  • 東京都福祉保健局 HP
  • 首相官邸 HP
  • 東京ビジネスクリニック HP
  • AnswerNews HP
FastDoctor
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TOP医療コラム新型コロナウイルス感染症に関する最新の対応方法や規定について