糖尿病の爪にあらわれる病気のサインは?初期症状やフットケアまで解説!

公開日: 2024/01/04 更新日: 2024/05/22
糖尿病にはどんな合併症がある? 糖尿病になると、爪にはどのような病気のサインがあらわれるの?と疑問ですよね。 糖尿病になって長期間経過すると、神経障害や血流障害に加えて外傷や感染がおき、爪や足にさまざまなトラブルが発生します。 これを、糖尿病足病変とよびます。 爪や足のトラブルを放置すると状態はどんどん悪化し、最悪の場合、足の切断を余儀なくされる場合もあるでしょう。 糖尿病足病変を予防するために、糖尿病になると足や爪にどのような変化が起こるのか知っておくことが大切です。 この記事を読めば、糖尿病の足病変を見逃さないための「爪や足にあらわれる病気のサイン」が分かります。 ぜひ最後までお読みくださいね。
目次

糖尿病の爪に現れる病気のサインは?

糖尿病の期間が長いと、高血糖状態が続くことで血管がせまくなり、徐々に神経障害や血流障害がおこります。

毛細血管が障害されることで身体の末端である足にも影響がではじめ、足の病変がおこります。これが「糖尿病性足病変」です。

糖尿病性足病変の初期は、爪の状態の変化や足の乾燥、亀裂などから始まるのが特徴です。

しかし、糖尿病による神経障害で痛みに気付けないことや、網膜症により目が見えづらいために、爪や足の変化に気付けない場合があります。

少しでも早く糖尿病による足の変化を発見するため、爪に現れる病気のサインを把握しておきましょう。

糖尿病足病変により爪に現れる病気のサインについて詳しく解説します。

白くなったり濁ったりする爪

糖尿病による高血糖状態が続くと、爪が白くなったり濁ったりする変化があります。

これは、高血糖になると血管がせまくなり、身体の末端である足や爪まで栄養が行き届きにくいためです。足先や爪が悪化している状態です。

糖尿病で爪が白くなる原因のもう一つに爪白癬(つめはくせん)があげられます。爪白癬には特徴的な症状があるため、後述します。

いずれにせよ、糖尿病の方で爪が白くなったり白く濁ったりする変化がみられる場合は注意が必要です。

巻き爪や陥入爪(かんにゅうそう)

糖尿病では、爪まで栄養がしっかり行き渡らないため、爪が正常に伸びなくなり、巻き爪になる場合があります。

また、爪は本来巻く性質を持っているため、踏んばることで巻く性質に反発し、理想的な爪の形を維持できています。

そのため、自分の足に合った靴を選び、足の指で踏んばりながら歩くことが大切です。

また、巻き爪が悪化すると陥入爪(かんにゅうそう)になってしまうため、予防が大切です。[1]

※陥入爪:爪の角が皮膚に刺さって食い込み、赤くなったり痛みがでたりしている状態。

巻き爪に対するケアは以下のとおりです。

  • 爪はスクエアカットにし角は丸く整える

  • 靴は先端が細いものを避け、足にフィットするものを選ぶ

  • 自分の足にフィットした、締め付けが強くない靴を履く

爪に負担のかからない生活をこころがけましょう。

 

爪肥厚

爪が厚くなることを爪肥厚といいます。

糖尿病により爪肥厚になると、爪がはがれやすくなったり、割れやすくなったりすることで雑菌が侵入する可能性があります。

爪の割れ目や剥がれた部分から雑菌が入ると化膿し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や潰瘍、壊疽(えそ)などを引き起こすため軽く見てはいけません。

※蜂窩織炎:皮膚や皮膚の下の組織に広がる感染症。傷口から細菌が侵入して感染に至る。ほとんどは抗菌薬治療で治るが、まれに重症化し命にかかわることもある。

※壊疽:感染などがきっかけで傷が悪化し、足の組織が壊死すること。

爪にできる横線

すべての指の爪にできる横線は「ボー線条(Beau's 線)」と呼びます。

すべての爪に横線が1本出る現象で、発熱性疾患、感染症、薬剤の影響、糖尿病、出産、亜鉛欠乏症などが原因でおこるとされています。

爪にボー線条がみられる場合は、爪が伸びるスピードと爪の長さから、いつ頃病気になったのかを推測することができます。

爪が白く・厚く・ボロボロになる爪白癬

糖尿病で爪が白くなったり厚くなったりし、ボロボロともろくなっていると、爪白癬(つめはくせん)の可能性があります。

白癬とは白癬菌に感染することでおこる水虫のことで、爪白癬は爪の水虫を指します。

糖尿病になると免疫力が低下し感染を起こしやすいです。そのため、水虫菌の感染により爪白癬になる可能性があります。

真菌(カビ)の一種である白癬菌が皮膚から爪の中に侵入(寄生)し、しだいに爪の下の角質の増殖をともなうため、爪は厚く濁って見えるようになります。[2]

爪白癬を放置すると、他の細菌やウイルスが侵入し、足潰瘍になるリスクがあり危険です。

※潰瘍(かいよう):感染などがきっかけで傷が悪化し、足の組織が死んでしまい、皮膚が欠損すること。

以下のポイントを意識して爪白癬を予防しましょう。

  • 帰宅後には足を洗い清潔にする

  • 靴下は通気性のよいものを選ぶ

  • 足が蒸れないように気をつける

これらの注意点を守り、足を清潔に保つことで爪白癬の予防に繋がります。

糖尿病で爪肥厚になるのはなぜ?

爪肥厚とは、爪が厚くなった状態のことです。

糖尿病になると高血糖が続くことで血管がせまくなり、足先など身体の末端まで栄養が行き届かなくなります。

足の爪に十分な栄養が届かないことで、爪が正常に伸びなくなってしまい、爪肥厚につながります。

爪肥厚の問題点は、爪が割れやすくなったり、はがれやすくなったりすることです。爪がもろくなると外から雑菌が侵入し、更に爪の状態が悪化する可能性があります。

糖尿病による爪肥厚がみられる場合は、爪の状態を日々しっかり観察しましょう。

糖尿病足病変の初期症状

糖尿病では、高血糖状態が続くと血管がせまくなり、足の血流が悪くなります。

糖尿病の合併症である神経障害は身体の末端である足先から始まるため、足の変化を見逃さないよう注意しましょう。

糖尿病で足にみられる初期症状は以下のとおりです。

  • 胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)

  • 乾燥や亀裂

  • 足趾の変形(ハンマートゥによる靴ずれ)

ここでは主に、糖尿病になると足にどのような初期症状があらわれるのかについて解説します。

胼胝(たこ)・鶏眼(うおのめ)

胼胝(たこ)は、足の摩擦や圧迫、糖尿病神経障害による足の変形などが原因でおこります。

鶏眼(うおのめ)は、足に合っていない靴を履くことで圧迫や摩擦などの負担が生じ、発生します。

胼胝と鶏眼の違いを、以下の表にまとめています。

胼胝

鶏眼

特徴

中心部に角栓がない

見た目が鶏眼より全体的に均一

眼がある

境界がはっきりしている

小豆大かそれより少し大きい

発生部位

骨隆起部(骨が盛り上がっている部分)の皮膚。

かかとや中足骨などにみられる。

硬い鶏眼は著しく骨が盛り上がっている部分に発生

足の指や足裏の表面にできる

柔らかい鶏眼は指の間に生じる

痛み

通常は無症状

過度に摩擦が加わると胼胝が厚くなり刺激感が生じる

軽度の焼けるような不快感をともなう

歩行時や圧迫された時に痛みをともなう場合がある

足にできた胼胝は、見えない部分で悪化している可能性があります。足の裏は皮膚が厚く、胼胝から足潰瘍になるまでの過程が分かりにくいのが特徴です。

糖尿病合併症の知覚神経障害があり、痛みに気付かず胼胝が潰瘍になっている場合があります。

胼胝ができた場合は、削ったり切除したりする必要があるため、医療機関を受診しましょう。

胼胝を放置し、くりかえし摩擦や圧迫などのダメージを受けていると潰瘍になるため注意が必要です。[3]

また、鶏眼ができると痛みをともなうことがあります。鶏眼ができた場合は、芯を除去する必要があるため、医療機関を受診して治療を受けましょう。

胼胝や鶏眼ができたときは医師に相談し、適切な治療を受けたり、自分の足に合った靴を履いたりして足の負担を軽減しましょう。

乾燥や亀裂

糖尿病足病変の初期症状では、足の乾燥や亀裂がみられることもあります。

足の乾燥や亀裂は、糖尿病の症状である多尿が関係しています。高血糖状態が続く糖尿病では、尿が多く出た分、身体が脱水気味となり皮膚が乾燥するためです。

また、糖尿病合併症の一つである神経障害により自律神経が障害されると、汗をかく機能が低下します。汗をかきにくいことで皮膚の水分量が低下し、皮膚は乾燥します。[4]

また、皮膚が乾燥すると亀裂(ひび割れ)も起こりやすくなるでしょう。亀裂部分から細菌が侵入すると感染症を引き起こしてしまうため、足の乾燥予防が大切です。

皮膚症状の有無にかかわらず、足の乾燥を防ぐために保湿剤などを塗るとよいでしょう。[5]

足趾の変形(ハンマートゥ)による靴ずれ

糖尿病になると運動神経が障害され、足の筋肉が萎縮することで足趾(足の指。以後、足趾と記載)が変形する場合があります。

糖尿病では、ハンマートゥ(槌状趾)と呼ばれる足趾の変形が一般的な症状です。

足の指は複数の骨がつながってできていますが、指が変形することで骨の一部が出っ張り、靴の中で擦れて靴ずれを起こします。

ハンマートゥになると、足に胼胝(たこ)や潰瘍を生じやすくなるため注意が必要です。[6]

糖尿病で深爪がダメな理由は?

糖尿病で深爪がダメな理由は、陥入爪や巻き爪になるリスクがあるためです。

深爪とは爪を切りすぎた状態のことです。

爪の先の白い部分を全て切り深爪となった場合、周囲の皮膚が盛り上がって爪が食い込んでしまいます。

深爪した爪の角などにより皮膚が傷つくと、出血したり炎症が起きたりして化膿する場合もあります。

糖尿病の方は深爪しないよう注意しましょう。また、深爪して痛みが出た場合に、さらに爪を切ると症状がひどくなる可能性もあります。

このような悪循環に陥らないよう、糖尿病で深爪になった場合は痛みや出血、炎症などがないか確認しましょう。

糖尿病でフットケアが必要なのはなぜ?

糖尿病足病変を早期発見するため、日々のフットケアはとても重要です。

糖尿病になると、糖尿病足病変とよばれる合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病足病変が潰瘍や壊疽まで進行すると予後が悪く、日常生活に支障をきたしかねません。

足病変になる原因は主に以下の3つがあげられます。

  • 高血糖状態により身体の抵抗力が落ち、感染症にかかりやすくなる

  • 糖尿病性網膜症により視力が低下し、足の傷や変化に気付きにくい

  • 糖尿病神経障害により傷の痛みや足の変化を自覚できない

上記の要因が関係し、足の変化に気付かないまま放置すると、傷口から感染して足が炎症を起こしたり化膿したりします。

足の状態が悪化すると潰瘍や壊疽が生じ、最悪の場合、足を切断することになります。

糖尿病になっても大切な足を守るため、足に傷を作らないよう注意しましょう。足の状態が悪くなる前に、予防的なフットケアを日々継続することが重要です。

糖尿病でのフットケアで気を付けるポイント

糖尿病と診断された場合、フットケアがとても重要です。

糖尿病になると血糖値が高い状態が続くため、毛細血管が痛み血流障害や神経障害がおこります。

神経障害になると、痛みを感じにくくなったり、傷や爪の変化などに気付きにくくなったりするため、日々意識して足の観察やケアをすることが大切です。

糖尿病のフットケアにおいて重要なのは以下の7点です。

  • 足全体を毎日観察する

  • 禁煙する

  • 足を清潔に保つ

  • 爪を切り過ぎないようにする

  • 自分の足に合った靴を履く

  • 靴下を履いて過ごし足に傷を作らない

  • 湯たんぽやストーブなどによるやけどに気を付ける

これらを意識して、日々フットケアに取り組みましょう。

足全体を毎日観察する

糖尿病になったら、足を毎日観察することが大切です。

糖尿病合併症には神経障害のほかにも糖尿病網膜症があり、目が見えにくくなっている可能性があります。

足の観察をするときは、以下の点を意識することが大切です。

  • 爪は巻き爪や陥入爪になっていないか

  • 爪は変色したり白っぽくなったりしていないか

  • 乾燥や亀裂はないか

  • 傷やたこ、うおのめはないか

  • 爪は厚くなっていないか

糖尿病になると、神経障害で痛みに気付けないだけでなく、視力の低下により足の変化が分からないことがあります。

足の裏など見えにくい部分は、鏡を活用すると見やすくなります。

毎日、意識して自分の足を観察する習慣をつけましょう。

禁煙する

フットケアでは、毛細血管の血流を低下させないよう、禁煙につとめることも大切です。

たばこのニコチンには血管収縮作用や血管を痛める作用があるため、糖尿病による高血糖状態でせまくなった状態の血管をさらに悪化させてしまいます。

また、たばこを吸うと、交感神経が刺激され血糖値が上昇するだけでなく、血糖値を下げるインスリンのはたらきが妨げられます。

喫煙は体の血流障害へ悪影響を及ぼすため、禁煙につとめて血管を守りましょう。

足を清潔に保つ

糖尿病になると抵抗力が弱くなり、感染症にかかりやすくなります。足からの感染を予防するには、足を清潔に保つことが大切です。

毎日お風呂に入ったら、足全体を優しく洗ってあげましょう。

爪を切り過ぎないようにする

糖尿病では、爪を切り過ぎて深爪になると、巻き爪や陥入爪になってしまう可能性があります。

爪の肥厚や陥入爪などがある場合の爪切りは、医師に相談しましょう。

糖尿病の場合は「スクエアオフ」と呼ばれる爪の切り方をします。スクエアオフとは、角をストレートにカットし、先端を四角に整える切り方です。

爪を丸く切ると、巻き爪や陥入爪の原因となる可能性があるため、糖尿病の方はスクエアオフの切り方を意識しましょう。

自分の足に合った靴を履く

糖尿病の場合は足を守るため、自分の足に合った靴を履くことが大切です。

足に合っていない靴を履くと、靴ずれの原因となります。

かかとの高い靴を履くと、足にかかる体重が偏り負担が大きくなるため避けましょう。

また、靴を履く前は、中に石などの異物が入り込んでいないか確認することが重要です。

糖尿病の場合は、足を締め付け過ぎず、かかとの高くない靴を選んで履きましょう。[7]

靴下を履いて過ごし足に傷を作らない

糖尿病の方は、足に傷を作らないよう、靴下を履いて生活しましょう。通気性や吸湿性のよい靴下であれば水虫になるリスクも抑えられます。

糖尿病の方には、綿やウールの素材がおすすめです。

湯たんぽやストーブなどによるやけどに気を付ける

糖尿病神経障害になると、痛みや熱さに気付きにくくなります。

気付かないうちにけがをしていたり、やけどを負っていたりする可能性があるため、以下の内容に注意して生活しましょう。

  • こたつ

  • 湯舟

  • 湯たんぽ

  • ストーブ

  • カイロ

  • 電気カーペット

  • 強い日差しによる日焼け

  • 夏のアスファルトや砂浜を素足で歩かない

湯舟に浸かる際は、お湯の温度を確かめてから入りましょう。

コタツやストーブなどの暖房器具は身体から離し、低温やけどの予防が大切です。糖尿病になると抵抗力も下がるため、足や爪の傷ややけどなどから感染する場合があります。

足を守る生活を意識しましょう。

糖尿病の爪切りは医療行為にあたる?

爪に異常がなく糖尿病を患っていない場合は、爪切りは医療行為には当たらず、だれでも実施できます。

しかし糖尿病の方は、爪を切る形や深さ、皮膚や爪の状態などを考慮した上で、爪切りを慎重におこなう必要があります。

糖尿病により、専門的な管理が必要とされている場合の爪切りは医療行為に当たるため、医療機関を受診して切ってもらいましょう。

糖尿病の初期症状は治るの?

糖尿病は、初期症状が出ている段階で治すことが難しい病気です。

糖尿病の初期症状は以下のとおりですが、いずれも糖尿病がある程度進行してからみられるものです。

  • のどが渇く

  • 尿量が増える

  • 水分摂取の量が増える

  • 体重が急激に減る

  • 疲れやすい

糖尿病の初期には目立った症状がないため、なかなか発見されないことが多い病気です。

また、糖尿病になるとさまざまな合併症がおこり、日常生活にも支障をきたしかねません。

少しでも気になる症状があれば受診し、詳しくみてもらいましょう。

Q&A

よくある質問にお答えします。

糖尿病の初期症状 | 50代女性の場合

50代女性の場合の、糖尿病の初期症状は、以下に示すように一般的な症状と同じです。

  • のどが乾く

  • 尿量が増える

  • 体重が減る

  • 疲れやすさ、だるさをを感じる

しかし、50代女性には糖尿病になりやすい特有の原因があります。

国民健康・栄養調査の結果によると、女性も男性も「50代を機に糖尿病が強く疑われる者」が急激に増加します。

女性は50代前後で閉経を迎え、女性ホルモンの「エストロゲン」が減少するためです。

エストロゲンには、インスリンの作用を向上させる、血糖値を調整する作用があります。エストロゲンが減少すると、血糖値は上昇しやすくなります。

更年期を迎え、体調の変化や症状が気になる場合は受診し検査を受けましょう。

爪の異常でわかる病気

爪の異常でわかる病気は感染症や変形、異栄養症、陥入爪など数多く存在します。

糖尿病に関係した爪の異常は以下のとおりです。

  • 糖尿病による白い爪

  • 巻き爪

  • 陥入爪

  • 爪が白くなる・厚くなる・ボロボロになる(爪白癬)

  • 爪肥厚

  • 爪にできる横線(ボー線条)

上記の爪の異常に関する詳細は、記事内で詳しく解説しています。

いずれも爪の状態を放置すると悪化する可能性があるため、医療機関で専門家にみてもらうことが大切です。

糖尿病の爪が白いのはなぜ?

糖尿病になると、高血糖の状態が続くことで血管がせまくなり、身体の末端まで栄養が届きにくくなります。

このため、爪が均一に伸びなくなり、爪の色が濁ったり白っぽくなったりすることがあります。

また、糖尿病の人の爪が白い場合、爪白癬という爪の水虫になっている可能性もあるため受診が必要です。

糖尿病で白癬になるメカニズムは?

糖尿病になると免疫力が低下するため、さまざまな感染症にかかりやすくなります。

また、高血糖状態による脱水で皮膚が乾燥し、ひび割れた部分や傷口から菌が侵入すると感染しやすいです。

白癬は、白癬菌と呼ばれる水虫を指します。

免疫力が低下し、皮膚が乾燥しがちな糖尿病患者は白癬を発症しやすくなります。

糖尿病による巻き爪の治療方法は?

糖尿病の方が巻き爪になると、爪が皮膚に食い込む「陥入爪」になる可能性があります。陥入爪になると、爪の周囲や足の指に炎症がおこります。

最悪の場合、壊疽となり足の切断にもなりかねません。

足の切断を防ぐために、巻き爪の段階からしっかりと治療することが重要です。

巻き爪の治療法には、大きく分けて以下の3つの方法があります。

  • 保存治療(テーピング法、コットンパッキング法、爪甲部分切除法、ガーター法)

  • 矯正治療(弾性ワイヤー法、3TO⁻VHO法)

  • 手術治療(フェノール法、爪縁除去)

巻き爪の治療は、医師が爪の状態などを考慮して方法を決めます。

巻き爪になってしまった場合は、少しでも早く受診して医師にみてもらい、重症化を防ぎましょう。

まとめ

糖尿病の爪にあらわれる病気のサインは数多く存在します。

高血糖状態が続くと血管がせまくなります。また、合併症の神経障害も影響し、糖尿病足病変のリスクが高まるのです。

足にあらわれる病気のサインを早期発見するため、日々のフットケアに力を入れましょう。毎日爪や足を観察し、変化がないか確認することが大切です。

糖尿病神経障害を併発すると痛みを感じにくくなり、足の病変に気付きにくくなってしまいます。

足病変が悪化し、壊疽や切断になるとこれまで通りの生活を送るのが難しくなります。

日々のフットケアを入念におこない、爪や足の異変に気付いたらすぐに受診し医師の診察を受けましょう。

参考文献

[1] 糖尿病サイト|糖尿病とフットケア|(1)爪の異常とネイルケア

[2] 公益社団法人|日本皮膚科学会|皮膚科Q&A|爪の病気

[3] MSDマニュアル プロフェショナル版|胼胝および鶏眼

[4] 日本フットケア学会雑誌|特集:一から始める糖尿病フットケア|糖尿病と糖尿病足病変の成り立ちについて

[5] 糖尿病サイト|皮膚の乾燥について教えてください|スキンケアを習慣にしましょう

[6] novo nordisk|ノボケア友の会事務局(ノボ ノルディスク ファーマ株式会社内)|ノボケアSMILE 笑顔を支えるインスリン療法|No.8 Winter 2006

[7] 日本私立学校振興・共済事業団|東京臨海病院|糖尿病教室|第8回 糖尿病と足【フットケアについて】

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