はやり目(流行性角結膜炎)について知ろう!

公開日: 2024/02/27 更新日: 2024/06/24
急に目が赤くなって目やにがたくさん出ると、不安になる方も多いのではないでしょうか。 治るのに時間がかかるとますます心配になりますよね。 もしかしたらその症状は、はやり目(流行性角結膜炎)かもしれません。 はやり目は非常に感染力が強いウイルス性結膜炎で、治るまでに時間がかかる特徴があります。 さらに適切な治療が受けられなかったり体力が落ちたままだったりすると、症状が長引くほか、重症化してしまうこともあります。 この記事では、はやり目の症状や治療法、早く治すコツ、学校や仕事をどのくらい休めばいいのかなど詳しく解説します。 さらに感染対策についても解説しますので、自分がはやり目かかっているか確かめたい人はもちろん、自分や家族がすでにはやり目と診断された方も、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。
やり目かもと思ったら
  • 目が充血している
  • 目やにが出ている

こんな症状があれば、はやり目の可能性も。 ファストドクターなら24時間365日医療相談を受け付けています。

必要に応じて、往診やオンライン診療も可能です。 気になる症状について相談してください。

目次

はやり目の症状は?

はやり目はある日突然、白目が赤くなり大量の目やにが出て、涙目やまぶたが腫れるなどの症状が現われます。主な症状には以下のようなものが挙げられます。[9]

【はやり目の主な症状】

  • 白目が赤くなる(充血)

  • サラサラした目やに

  • 涙目

  • 目の痒み

  • まぶたの腫れ

  • まぶたの裏のぶつぶつ

  • 異物感

  • しょぼしょぼ感

  • まぶしさ

  • 耳下腺の腫れや痛み

  • 白目の腫れ(ぶよぶよになる)

  • 発熱

片目だけはやり目になることもあるの?

最初は片目だけに発症しますが、数日中にはもう片方の目にうつることが多いのが特徴です。

以前は眼帯を付けて感染予防をするという考え方がありましたが、眼帯は感染源になってしまうことから、現在はやり目の治療で使われることはほとんどありません。ただし、黒目の部分に異物や細菌が入ったときは眼帯を使うこともあります。その場合は医師の指示に従うようにしましょう。[10]

やり目になったかも・・・と不安なら
  • 目が充血している
  • 目ヤニが増えている
  • 白目がぶよぶよしている

目にこれらの症状があるなら、受診することが望ましいです。

しかし、子どもがいて受診が難しい、コロナやインフルエンザなどの感染症が不安などで受診できないこともありますよね。

ファストドクターなら、往診やオンライン診療が可能です。

はやり目とは?原因や種類について解説

はやり目はウイルス性結膜炎の一つであり、原因はアデノウイルスです。アデノウイルスは非常に強い感染力を持ち、感染した人が触ったものを介して周囲に広がります。

小児に多い印象がありますが、実はどの年齢でも感染する可能性があります。 

しかし、目の充血や目やにの症状があっても、はやり目でないこともあります。では、どのような原因が考えられるのでしょうか?

ウイルス性結膜炎は主に以下の3種類があり、いずれも白目の充血や目やに、まぶたの腫れなどの症状が現われます。

  • はやり目(流行性角結膜炎)

  • 咽頭結膜熱(プール熱)

  • 急性出血性結膜炎

それぞれの原因や特徴について解説します。[4]

ウイルス性結膜炎の種類

ウイルス性結膜炎は、はやり目(流行性角結膜炎)のほかにプール熱(咽頭結膜熱)、急性出血性結膜炎があります。

いずれの結膜炎も非常によく似た症状が現われますが、プール熱では喉にもウイルスが感染するため喉の痛みに加えて38~39℃の発熱がしばしば見られます。また、急性出血性結膜炎では白目部分がべったりと赤くなる結膜下出血が特徴的です。

それぞれの原因ウイルス、感染経路、潜伏期間、特徴を以下の表にまとめました。[1][2] [3][9]

▼ウイルス性結膜炎の種類と特徴など

 

原因ウイルス

主な感染経路

潜伏期間

特徴

はやり目

(流行性角結膜炎)

アデノウイルス

接触感染

1週間

・夏期に流行

・幅広い年齢層に見られる

プール熱

(咽頭結膜熱)

アデノウイルス

接触感染

飛沫感染

1週間

・夏期に流行

・小児に多い

急性出血性結膜炎

・エンテロウイルス

・コクサッキーウイルス

接触感染

1日

・季節性なし

・1~4歳に多いが20~30歳代にもやや多く見られる

はやり目の治療方法は?

はやり目には特効薬がないため、バランスのとれた食事と十分な休息をとり、免疫力を高めることが治療の基本です。

そのほかに、症状を和らげるために抗炎症剤の点眼薬や、角膜(黒目)に炎症や濁りがある場合はステロイド剤の点眼薬を使います。

二次感染の予防や細菌に感染している可能性がある場合は、抗菌剤の点眼薬を使うこともあります。

ステロイド剤には炎症を抑える作用があり、はやり目のつらい痒みや痛みを和らげるのに効果的です。ただし頻繁に使いすぎたり、長期間使ったりすると副作用の原因になるため、医師の指示を守って使うようにしましょう。[13]

 

乳幼児では角膜炎が重症化することがあり、角膜に濁りが残ってしまうと視力が低下する原因になることがあります。

きちんと眼科を受診して適切な治療を受け、点眼薬は医師の指示があるまで中止しないことが重要です。[4]

はやり目は症状が長引くことも!早く治す方法はあるの?

目の充血や痒み、腫れが長引くと不安になってしまうでしょう。

一体いつになったら治るのか気になりますよね。結膜炎というと3~4日で治るイメージがあるかもしれませんが、ウイルス性結膜炎は細菌性結膜炎よりも治るのに時間がかかります。 

では、はやり目はどのくらいで治るのでしょうか。長引かせない方法についても解説します。

はやり目が治るまでどのくらいかかる?ピークは何日目?

はやり目はほとんどの場合、発症から約2週間で改善します。症状のピークは発症から1週間です。

しかし、初期に適切な治療が受けられなかったり、重症化したり、免疫力が低下している場合は改善までに1ヶ月程度かかってしまうこともあります。

また、重症化すると角膜(黒目)に濁りが残り、視力が低下する原因になることがあります。

はやり目をなるべく早く治す方法は?

はやり目の原因であるアデノウイルスに効果のある薬はありません。特効薬がないから受診する必要はないのではと思われるかもしれません。

しかし、重症化しないように症状を抑える点眼薬を使いながら医師に経過を確認してもらうことは、はやり目を長引かせない重要なポイントなのです。

また、十分な休息や栄養を摂ることで免疫力を上げておけば、はやり目を長引かせずに治すことができます。 

はやり目を早く治すには以下のようなことを心掛けるといいでしょう。

  • 症状に気付いたらすぐに眼科を受診する

  • 治療を自分の判断で中断しない

  • 十分な休息と栄養補給をして免疫力を上げる

  • 痒みや違和感は点眼薬を使って対応する

免疫力を上げるためにはバランスのとれた食事が欠かせません。主食・主菜・副菜の揃った食事を心掛け、腸内環境を整えるために発酵食品や食物繊維を含む食材も積極的に食べるようにしましょう。[7]

メイクやコンタクトレンズはOK?

はやり目のときにメイクやコンタクトレンズはしてもいいのか、気になりますよね。

結論から言うと目の周りのメイクは避けた方が良く、コンタクトレンズも症状が改善するまでは使用しない方がいいでしょう。

目の周りのメイクは、まつ毛の毛穴を詰まらせ炎症を引き起こす原因となります。

これは、はやり目の症状を悪化させる原因にもなるので、はやり目が治るまでアイメイクは避けるようにしましょう。

どうしてもメイクをしたいときは薄いメイクで短時間にとどめ、クレンジング剤などを使いしっかり落とすようにします。

その際まぶたを強くこすらないようにしましょう。 

はやり目の時にコンタクトレンズをつけたままにすると、結膜(まぶたの裏側)がレンズとこすれてしまい、充血や痒み、痛みを悪化させてしまいます。

またコンタクトレンズを装着したまま使用できる点眼薬は限られているため、症状がでた時点でコンタクトレンズは外して受診しましょう。

コンタクトレンズを再開するタイミングについては、医師に確認をするようにしてください。

はやり目になったらいつから登園・登校できる?出勤は可能?

はやり目になったらどのくらい保育園や学校を休めばいいのか、仕事はどのくらい休まなければならないのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

はやり目にかかった場合の対応方法について詳しく解説します。[6]

園や学校から許可が出るまで登園・登校はNG

はやり目は非常に感染力が強いため、目やにや充血がなくなるまでの、約10日~2週間休むのがよいとされています。

学校保健安全法の第三種感染症に指定されており、医師が感染の恐れがないと判断するまで登園や登校ができないケースが一般的ですが、症状が良くなって何日で登園・登校してよいのかなどは園や学校によって対応が様々です。

そのため、何日間休むべきかは通っている園や学校、主治医に相談してみてください。

また、登園や登校をするときは医師の許可証が必要となる可能性が高いです。

通い始められる目安や登園許可証が必要かなどを一度園に確認しておくと安心です。

必要であった場合、症状が改善したら病院やクリニックを再度受診して、医師に書いてもらいましょう。

[8]

 

出勤できるかどうかは会社によって異なる

大人が感染した場合も感染を広げないために、出勤を控えることが望ましいでしょう。

ただし法律で定められていないため、勤務先への確認が必要です。特に医療従事者や学校関係者、飲食業などは感染の拡大が深刻な影響を与えるため配慮が必要です。

他の職業でも感染力の強い1週間は出勤を控えることが推奨されます。

はやり目で仕事を休むかどうかについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:はやり目で仕事を何日休む?家族にうつさず、早く治す方法を解説

「周囲にうつさないために」はやり目になったときの過ごし方

はやり目の原因であるアデノウイルスは非常に強い感染力があります。感染経路は主に接触感染、つまり感染した人が触った物を介して感染が広がってしまうのです。

周囲へ感染を広げないためのポイントは以下です。

  • 目をできるだけ触らない

  • 目を触ったら手を石鹸でよく洗い、アルコールで手指消毒をする

  • タオルや枕、目薬などを共用しない

  • 入浴は感染している人が最後、できるだけシャワーのみにする

はやり目に有効なワクチンはありません。感染対策の基本は目を触らないようにすることです。

目やにや涙を拭くときはティッシュペーパーなどを使い、きちんとゴミ箱に捨てるようにしましょう。また、家庭内では涙や目やにで汚れる可能性のあるタオルや洗面用具を介して感染します。

入浴は感染している人を最後にして、タオルや洗面用具の共用は避けるようにしましょう。

シャワーだけで済ませるのが望ましいですが、湯船につかった場合は浴槽の湯はすぐに抜き、水でしっかり洗い流します。

目薬の共用も感染を広げる原因なので、避けるようにしましょう。 

感染予防のためには手洗いや手指消毒も欠かせません。手を洗う時は石鹸などを使い、手洗い後はアルコールで手指消毒をすると追加効果が期待できます。

また、アデノウイルスは熱に弱い特徴があります。衣類やタオルなどの消毒は85℃で1分以上の熱水洗濯が有効です。

熱消毒できないものは、次亜塩素酸やアルコールで拭くようにしましょう。[11][12]

まとめ:はやり目は感染力が強い!感染拡大を防ぐ行動を

はやり目は急に白目が赤くなって目やにが大量にでるウイルス性結膜炎です。症状のピークは発症してから1週間で、ピークまでは症状がどんどん悪化するのが特徴です。

なかなか良くならないと感じて、不安になってしまうでしょう。しかし、ほとんどの場合は2週間程度で完治します。 

はやり目の原因であるアデノウイルスは非常に感染力が強く、周りにうつさないために以下のことに注意する必要があります。

  • なるべく目を触らない

  • できるだけ人との接触を減らす

  • 石鹸で手洗いをし、アルコールで手指消毒を行う

  • 家庭内での入浴は最後にする

保育園や幼稚園、学校は医師の許可がでるまでは登園・登校ができません。出勤に関しては勤務先に確認してみましょう。

つらい症状を長引かせないためには、免疫力を上げることが大切です。もしかかってしまったら無理をせず、十分な休息と栄養バランスのとれた食事を心掛けましょう。

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アプリを事前にダウンロードして備えておくのがおすすめです。

参考文献

[1]流行性角結膜炎 Epidemic keratoconjunctivitis (EKC) | 東京都感染症情報センター

[2]咽頭結膜熱 PCF(Pharyngoconjunctival fever) | 東京都感染症情報センター

[3]咽頭結膜熱(プール熱)とは? | 知っておきたい!家庭の感染と予防急性出血性結膜炎

[4]流行性角結膜炎とは

[5]流行性角結膜炎(ウイルス性結膜炎)|おながファミリー眼科 戸塚区 栄区 本郷台

[6]学校伝染病の種類及び出席停止期間

[7]食生活から身体の免疫力を高めよう! 東京都保健医療局

[8]感染したら保育園を出席停止になる感染症まとめ | キッズドクターマガジン

[9]ウイルス性結膜炎|日本眼科学会

[10]一般眼科|横浜市港北区綱島駅の眼科、コンタクト、オルソケラトロジー - 綱島駅前眼科

[11]流行性角結膜炎(はやり目)|船橋市公式ホームページ

[12]アデノウイルス|丸石製薬株式会社

[13]【結膜炎に使用される薬】 【アデノウイルス感染症と食事】|くす通信

 

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