夏なのにインフルエンザかも?時期はずれのインフルエンザについて解説

公開日: 2024/03/14 更新日: 2024/09/13
夏なのに高熱や咳、倦怠感などの症状があらわれたとき、秋や冬以外でもインフルエンザにかかることはあるの?と不安になりますよね。 実際に、秋や冬以外でもインフルエンザに感染することがあります。 また、夏に流行しがちな感染症の中にはインフルエンザと似たような症状のものもあることはご存じでしょうか。 発熱や咳などの症状が出たときに、インフルエンザなのかその他の感染症なのか見分けられるようにしておくことも大切です。 そこで本記事では、時期はずれのインフルエンザの流行状況や夏に流行しやすい感染症、インフルエンザの原因や症状、治療法について詳しく解説します。 インフルエンザの予防法も解説するので、ぜひ参考にしてください。
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目次

秋冬以外でもインフルエンザにかかる?

日本では、平均的に秋の終わり頃から春にかけてインフルエンザが流行します。しかし、夏にインフルエンザの患者が見られることは珍しくありません。秋冬以外でもインフルエンザにかかる可能性があることを念頭に置いて、日頃から手洗いうがいや咳エチケットなどの感染対策を心がけましょう。

2023年度のインフルエンザの流行状況

2023年では、季節性インフルエンザの発生数が5月中頃から例年に比べ高い水準で推移しました。[1][19]また、通常インフルエンザは11月後半から感染者が増加し始め、年を越した1月から2月にピークを迎えますが、2023年度は8月後半から増え始め12月にピークを迎えました。これは、2020年に新型コロナの流行が起き、2021年、2022年と2シーズンにわたりインフルエンザの流行がほとんど起きなかったため、特に子どもなどの若い人の抗体保有率が少なくなっていることが原因だといわれています。

過去の時期はずれの流行について

過去にインフルエンザが流行した事例を解説します。中国で平成25(2013)年の春に、鳥インフルエンザA(H7N9)が発生しました。鳥インフルエンザA(H7N9)は、平成25 (2013)年4月から夏にかけて、また11月から平成26 (2014)年5月にかけて中国で多数の感染者が報告されました。現在まで、持続的な人から人への感染は確認されていませんが、濃厚接触のある場で限定的に人から人へ感染した事例もあります。また平成21(2009)年4月には、新型インフルエンザA(H1N1)pdm2009ウイルスがメキシコで確認され、世界的大流行となった事例があります。日本でも多くの人々が免疫を持っていなかったため2009年7月から感染者数が増加し、大規模な流行となりました。日本国内では、約2,000万人が感染したと推計されましたが、死亡率は諸外国と比較して低い水準にとどまりました。

このように、新型のインフルエンザが季節を問わず流行することもあります。[3]

なぜ秋冬以外でもインフルエンザにかかるの?

例年通りであれば、インフルエンザは11月から5月の秋冬に流行します。夏季にもインフルエンザの感染者がでることがありますが、これまで流行といえる水準にまでは届いていませんでした。しかし近年、免疫力の低下や空気の乾燥などにより秋冬以外でもインフルエンザにかかることがあります。

ここでは、秋冬以外でもインフルエンザにかかる原因について詳しく解説します。

夏バテによる免疫力の低下

高温多湿となる日本の夏では、疲労や倦怠感、食欲不振、体力低下などの「夏バテ」の症状があらわれやすく、体調を崩しがちです。夏バテにより免疫力が低下すると、インフルエンザや熱中症、食中毒などの感染症にかかりやすくなります。

また、暑さ対策に冷房を効かせすぎたり、冷たいものを 摂取しすぎたりすると自律神経の調節機能が乱れやすくなります。[4]

これらを防ぐために、冷房は28℃を目安に設定し、身体を冷やしすぎないようにしましょう。また、冷たいものは適度な量を摂るように心がけましょう。

冷房による乾燥

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。冷房を使用すると乾燥しやすくなるため、適切な湿度を保てるよう加湿器などを使用しましょう。部屋の湿度は50〜60%に維持すると気道粘膜の乾燥が防げるため、感染症への対策として効果的です。[2]

夏に流行しやすい感染症とは

夏に流行しやすい感染症では、発熱をともなうものが多くあります。

ここでは、夏に流行しやすい感染症についての概要を解説しています。インフルエンザとほかの感染症との違いを知るための参考にしてください。

手足口病

手足口病では、手や足、口の中を中心に2〜3mm程度の赤みを帯びた発疹(細かい水ぶくれ)がみられるのが特徴的です。

手足口病の患者の1/3程度には、発疹とともに熱も出ます。飛沫感染や接触感染、噴口感染などの感染経路でうつるため、集団生活の場における感染対策が重要となります。

関連記事:子どもの手や足に発疹が…手足口病とはどんな病気?

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは急性のウイルス性疾患で、発熱や咽頭痛、口腔粘膜にあらわれる水疱性の発疹などが主な症状です。熱は2〜4日で下がり、少し遅れて口腔内の水疱もおさまります。

ヘルパンギーナには糞口感染や接触感染、飛沫感染と3つの感染経路があります。周囲への感染を防ぐには、感染経路別の対策が大切です。

関連記事:ヘルパンギーナについて知っておきましょう

咽頭結膜熱(プール熱)

咽頭結膜熱(プール熱)とは、アデノウイルスが原因となる感染症です。主に夏に流行し、子供だけでなく大人も感染します。

アデノウイルス感染症は、症状がでる部位により咽頭結膜熱や流行性角結膜炎、胃腸炎、呼吸器感染症、出血性膀胱炎などのように呼び方が変わります。

脳炎などの重症化リスクがあるため、症状が改善しない場合は早めに受診しましょう。

関連記事:アデノウイルスは大人でも感染する?症状や受診目安についても解説

りんご病

りんご病とは、両頬に赤い発疹があらわれるのが特徴の感染症です。ヒトパルボウイルスB19に感染し、10〜20日の潜伏期間を終えると咳や鼻水、筋肉痛などの症状があらわれます。

りんご病には特別な治療法はないため、症状を和らげる対症療法をおこないます。

関連記事:りんご病(伝染性紅斑)の症状と感染原因について解説

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌)

溶連菌とは、A群溶血性レンサ球菌への感染により、2〜5日の潜伏期間を経て発症します。突然の発熱や全身のだるさ、のどの痛みにより発症し、嘔吐することもあります。[5]

治療には主にペニシリン系やセフェム系抗生物質を用います。これらにアレルギーがあるときは、マクロライド系抗生物質を用いることもあります。

抗生物質は処方された分は必ず飲みきるようにしましょう。

細菌性胃炎(食中毒)

細菌性胃炎とは最近やウイルスを原因とする病気で、食中毒ともよばれます。梅雨の時期から9月頃までは高温多湿な気候が続くため、細菌による食中毒が多く発生します。

主な原因菌はカンピロバクターや腸管出血性大腸菌(O157)などです。感染を予防するには、調理の際には事前にしっかり手洗いをし、新鮮な食材を使いましょう。また、食べるときには十分に加熱し、ちょっとでもあやしいと思ったら食べないようにしてください。[6]

インフルエンザとコロナウイルスの違い

インフルエンザとコロナウイルスは、咳や鼻水、喉の痛み、発熱、頭痛、倦怠感など、同様の症状を引き起こします。

ただし、感染経路や潜伏期間、症状、治療においてはいくつか違いがあります。

インフルエンザとコロナウイルスの違いを以下の表にまとめたので参考にしてください。[18]

 

インフルエンザ

新型コロナウイルス

感染経路

飛沫・接触

飛沫・接触・エアロゾル

潜伏期間

1~3日

2~7日

症状

  • 突然の発熱

  • 悪寒

  • 頭痛

  • 全身倦怠感

  • 筋肉痛

  • 関節痛

  • 発熱

  • 筋肉痛

  • のどの痛み

  • 味覚異常

  • 嗅覚異常

治療

抗インフルエンザ薬

対症療法

対症療法

ワクチン

あり

あり

コロナウイルスでは、味覚や嗅覚に異常が出ることもありますが、オミクロンに置き換わる前に比べると頻度は減少しています。

症状のみでインフルエンザとコロナウイルスを見分けるのは困難とされているため、判別には検査が必要です。[18]

またインフルエンザとコロナウイルスはどちらも、さまざまな重症度の症状があらわれ、無症状や軽症の人もいれば、重症になる場合もあります。

インフルエンザと新型コロナウイルス感染症では予防できるワクチンが異なるため、どちらのウイルスも予防したいときには2つのワクチンを接種することが必要です。[7]

症状だけでは判別は難しいため、医療機関を受診し適切な検査や治療を受けましょう。

関連記事:2024年コロナの最新情報を確認しよう

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インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症です。

通常は寒い季節に流行するとされていますが、徐々に冬季関係なく一年を通して感染者がみられるようになってきています。インフルエンザにはA、B、Cの3つの型が存在しますが、主に流行するのはA型とB型です。[8]

ここでは、インフルエンザの原因や症状、検査、治療について解説します。

関連記事:インフルエンザの症状は?感染期間中の症状の経過もチェック

インフルエンザの原因

インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こります。主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。

  • 飛沫感染:ウイルスに感染した人のくしゃみや咳、会話をしたときに出る飛沫を、ほかの人が吸い込み、口や鼻に入り込むことで感染します。[9]

  • 接触感染:インフルエンザウイルスに感染している人がものに触れるとウイルスが付着し、ほかの人が同じものを手で触ることで、口や鼻から感染します。

インフルエンザの症状

インフルエンザの症状は、通常のかぜ症候群と異なります。感染すると、以下のような症状があらわれます。

  • 突然の発熱(通常38℃以上の高熱)

  • 悪寒(おかん)

  • 頭痛

  • 全身倦怠感

  • 筋肉痛

  • 関節痛

上記の症状に続いて、咳や鼻汁、咽頭痛などの上気道症状があらわれます。

インフルエンザの症状は約1週間で軽快しますが、まれに脳炎や脳症などの合併症がおこることがあるため注意が必要です。[10]

インフルエンザの検査

インフルエンザウイルスへの感染が疑われる場合は、病院で迅速診断キットを使って検査するのが一般的です。高熱が出た直後では、インフルエンザに感染していても検査で偽陰性となる可能性が高くなるため、ウイルスが十分に増殖している発症後12〜48時間以内に検査をすることが推奨されています。

インフルエンザを発症して48時間を過ぎると、正確な検査結果が得られないことがあるため、適切なタイミングでの検査が大切です。[11]

インフルエンザの治療

インフルエンザの治療方法は、大きく一般療法と薬物療法に分けられます。

一般療法とは、安静にして十分な休息を取り、脱水予防のための十分な水分補給をすることです。

薬物療法とは、抗インフルエンザウイルスを使う原因療法と、インフルエンザによるつらい症状をやわらげる薬剤を使う対症療法があります。

インフルエンザに対する治療薬としては、抗インフルエンザウイルス薬があります。[2]

下記の表に抗インフルエンザウイルス薬をまとめましたので、処方してもらう際の参考にしてください。

 

タミフル

ゾフルーザ

イナビル

リレンザ

ラピアクタ

シンメトレル(A型にのみ有効)

投与方法

内服

吸入

点滴

内服

投与回数

1日2回 5日間

1回で終了

1日2回 5日間

1回で終了

1日1~2回

予防投与

×

特徴

  • 最もよく使われている

  • 子どもの意識障害や異常行動などに注意

  • 症状が改善するまでの時間がタミフルより短い

  • 症状が改善するまでの時間がタミフルより短い・肺炎や気管支合併例では使用すべきでない

  • 日本で最も早く発売された

  • 肺炎や気管支合併例では使用すべきでない

  • 点滴のため、内服や吸入ができない人にも投与可能

  • 投与できる場所が限られる

  • A型以外のインフルエンザウイルス感染症には効果なし

予防投与とは、インフルエンザウイルス感染者と接触して48時間以内に予防的に薬剤を投与することです。インフルエンザウイルス薬の予防投与は保険適応ではないため、自由診療として自費で受けなければなりません。

インフルエンザウイルス感染者と接触したときの予防投与は義務ではなく、また、完全に発症を予防できるわけではない点にも注意が必要です。

関連記事:【2023年最新】インフルエンザとは?今年の発生状況や予防接種、コロナや風邪との違いを解説

関連記事:インフルエンザ薬「ゾフルーザ」ってどんな薬?

夏でもインフルエンザの検査はできる?

インフルエンザは冬季の流行が多いですが、夏でも検査はできます。

インフルエンザの潜伏期間は1〜3日です。検査のタイミングが早過ぎると、感染していてもウイルスの量が少なく陰性になってしまう可能性があります。正確に検査できるよう、発熱から12〜24時間経過後に検査を受けるとよいでしょう。

インフルエンザの検査は、症状が確認されていれば保険適応になります。ただし、医療機関によっては、検査キットが不足している場合もあるため確認してから受診するとよいでしょう。

インフルエンザにかかってしまったら?

インフルエンザにかかってしまったら無理をして学校や職場へ行かず、安静に過ごしましょう。とくに子どもの場合は、異常行動を起こす可能性があるため保護者の見守りが必要です。

ここでは、インフルエンザにかかってしまったときの過ごし方や注意点について詳しく解説します。

安静にし、十分な休息をとる

インフルエンザにかかった時は、無理をせず安静にし、十分な休息をとりましょう。睡眠をしっかりとり、身体を休めることが大切です。

水分補給をする

インフルエンザにかかったら、十分な水分補給をしましょう。

感染すると高熱が出ることが多く、体温の上昇にともない汗をかくため、身体から水分が失われやすくなります。お茶やスープなど飲めるもので構いませんので、こまめな水分補給を心がけましょう。

外出を控える

インフルエンザにかかったら、人込みや繁華街への外出を避けましょう。また、無理をして学校や職場へ行かず、安静にしておくことが大切です。

インフルエンザは発症する前日から、発症して3〜7日間はのどや鼻からウイルスを排出しています。[12]

周囲の人への感染拡大を防ぐため、ウイルスを排出している期間は、外出を控えましょう。

咳エチケットを心がける

インフルエンザを、家族や周りの人にうつさないよう咳エチケットを徹底しましょう。咳やくしゃみ、会話するときの飛沫などで、周囲の人へ感染を広げる恐れがあります。

厚生労働省による3つの正しい咳エチケットは、以下のとおりです。[13]

  • マスクを着用する

  • ティッシュ・ハンカチなどで口や鼻を覆う

  • 上着の内側や袖で覆う

インフルエンザウイルスは、症状がなくても実は感染している不顕性感染や、かぜ症状のみで本人が完全に気付いてない場合もあります。自分でも気付かないうちに周囲の人へウイルスを感染させてしまっている可能性があるため、普段から咳エチケットを心がけましょう。

子どもの場合は異常行動に注意

子どもの異常行動は、抗ウイルス薬を内服していないときでも、インフルエンザウイルスにかかった場合に報告されているため、内服の有無に関わらず注意が必要です。

  • 急に走り出す

  • 部屋から飛び出そうとする

  • ウロウロする

また、極めてまれですが転落などによる死亡事例も報告されています。子どもがインフルエンザと診断されて治療が開始されたら、少なくとも2日間は1人にせず、そばで安全確保に努めましょう。

具合が悪いときは医療機関を受診する

インフルエンザでの療養中、高熱が続いたり呼吸が苦しくなったりと具合が悪いときには早めに医療機関を受診しましょう。

意識状態がおかしい時には、ためらわず医師の診察を受けることが重要です。

令和5年度インフルエンザQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

インフルエンザの予防方法

インフルエンザにかからないためには適切な予防方法を知り、実践することが大切です。

予防方法はワクチン接種やうがい手洗い、適度な湿度、休養など多くあるため、一つずつ詳しく解説します。

ワクチン接種

インフルエンザの予防において重要なのは、ワクチン接種です。

予防接種でインフルエンザを完全に予防することはできませんが、ウイルス感染による発症を抑えたり、重症化を防いだりする効果があります。

また、インフルエンザワクチンを接種しておくと、咳やくしゃみ、鼻水などの症状を抑える効果があるため、周囲の人へのウイルス感染リスクを下げることにもつながります。[9]

予防のためのワクチン接種の効果があらわれるまで、接種後2週間程度かかります。[14]

基礎疾患を持つ方や高齢者、子どもなど重症化するリスクが高い人が周囲にいる場合は、積極的にワクチンを接種するようにしましょう。

関連記事:インフルエンザ予防接種は受けるべき? ワクチンの効果や注意点について詳しく解説

うがい・手洗い

インフルエンザの予防では、うがいや手洗いをきちんと行うことでウイルスを体内へ侵入させないことが重要です。

流水と石鹸による15秒以上の手洗いで、手指についているインフルエンザウイルスを除去し、感染リスクをさげましょう。

また、インフルエンザウイルスは60〜80%の濃度のアルコール製剤にふれると死滅します。アルコール製剤で手指を消毒したり、感染者が触れるドアノブや手すりなどの場所を掃除するのも感染対策に有効です。[15]

インフルエンザウイルスを体内に侵入させないよう、手洗い・うがいなどの感染対策にも気を付けましょう。

適度な湿度を保つ

適切な湿度を保つことは、インフルエンザの感染対策において効果的です。

空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザに感染しやすくなります。特に冬季は、エアコンなどの使用で部屋の湿度が下がりやすいため、加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つことを心がけましょう。[2]

十分な休養

身体の抵抗力を高めるために十分な休養をとりましょう。

バランスのとれた栄養摂取も、身体の抵抗力を高めるのに効果的です。生活習慣を見直して、インフルエンザに負けない身体づくりに努めましょう。

バランスのとれた食事

インフルエンザへの感染予防のため、バランスのとれた食事を心がけましょう。

具体的には、主食や主菜、副菜がそろった食事が栄養バランスのとれた食事といえます。主食や主菜、副菜がそろった食事の回数が多いほど、バランスよく栄養が摂れるため、日々の食事内容も意識するとよいでしょう。[16]

関連記事:インフルエンザを早く治すために食べた方が良いものは?

人混みや繁華街への外出を控える

インフルエンザが流行している時期には、人込みや繁華街への外出を控えましょう。

基礎疾患がある場合や高齢者、妊娠中の場合はとくに、人が多く集まる場を避けることが望ましいです。

また、睡眠不足や体調が悪いときも、身体の抵抗力が下がっているため要注意です。

インフルエンザの感染経路は接触感染と飛沫感染です。どうしても人込みに外出する予定があるときは、不織布製のマスクを装着し、インフルエンザ感染者の飛沫を取り込まない対策をしましょう。

室内ではこまめに換気をする

インフルエンザの感染対策として、季節を問わず室内をこまめに換気することが重要です。

対角線上にあるドアや窓を2か所解放すると、効果的な換気ができます。冬場は暖房器具の近くの窓を開けて換気すると、外から入る空気が暖められるため室温の低下を軽減できます。

暖房器具を設置するときはカーテンなどの燃えやすいものから離し、火災が発生しないよう留意しましょう。

短時間のみの換気よりも、一方向の窓を少しだけ開けて常に換気するほうが室温の変化を抑えられます。

一般家庭でインフルエンザの感染予防をするときは、常時換気設備や台所や洗面所の換気扇などを活用しましょう。

インフルエンザの感染対策としては、こまめに換気をして室内にウイルスをとどめない工夫が大切です。[2]

まとめ

インフルエンザは一般的に秋から冬にかけて流行する感染症ですが、時期はずれの夏季でもかかる可能性があります。

そして重症化すると、脳症や脳炎などの合併症が起こることもあります。

また、夏季に流行しやすいほかの感染症もあるので、体調がすぐれないな、と感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

また、インフルエンザだけでなくほかの感染症からも、自分や周囲の人を守るため、日頃からうがい手洗いや咳エチケットを心がけてください。

もしもインフルエンザにかかってしまったら、人が集まる場所へ行くのは避け、安静に過ごし身体を休め、回復に努めましょう。

参考文献

[1] 厚生労働省|インフルエンザの発生状況について (mhlw.go.jp)

[2] 令和5年度インフルエンザQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

[3] 厚生労働省| 新型インフルエンザの診療に関する研修

[4]8月 夏バテしない生活習慣を! | 健康サポート | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)

[5] NIID 国立感染症研究所|A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは

[6] 全国健康保険協会 協会けんぽ|7月 夏の食中毒にご用心!

[7] Q&A(COVID-19):インフルエンザとの類似点と相違点 | WHO Centre for Health Development

[8] NIID 国立感染症研究所|インフルエンザとは

[9] CDC Centers for Disease Control and Prevention|インフルエンザ

[10] 一般社団法人 日本呼吸器学会|呼吸器の病気|A.感染性呼吸器疾患|インフルエンザ

[11] 日本感染症学会|インフルエンザウイルス抗原迅速診断検査利用法―最適な検査時期についての1考察―

[12] 厚生労働省|令和3年度インフルエンザQ&A|Q17 :インフルエンザにかかったら、どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?

[13] 厚生労働省|咳エチケット

[14] 全国健康保険協会 協会けんぽ|10月 免疫力アップでインフルエンザ対策!

[15] 厚生労働省|事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン|2.基本的な新型インフルエンザ対策|2)手洗い

[16] 東京都保健医療局 東京都多摩小平保健所|栄養に関すること|「新しい日常」、「新しい生活様式」に関連した栄養・食生活情報

[17] インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第6週 2/26更新) (niid.go.jp)

[18] 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第10.0版 | 2 臨床像

[19]インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第8週 3/8更新) (niid.go.jp)

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