インフルエンザの検査キットは市販あり?検査の時間や方法・タイミングを紹介

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/09/13
高熱が出たり、関節の痛みが出たりすると、「インフルエンザかも」と心配になりますよね。 そんなとき、市販のインフルエンザ検査キットがあると便利です。 インフルエンザに罹患した場合、迅速かつ正確な検査は、治療や感染拡大防止のためにとても重要です。 しかし、症状が出てからすぐに病院を受診してインフルエンザの検査をしてもらっても、しっかり陽性が出ない場合があります。 正確な結果を得るためには適切な検査方法と最適なタイミングが必要です。 今回の記事では、市販のインフルエンザ検査キットがあるのか、また病院でインフルエンザの検査を受ける場合の検査時間や方法、タイミングを紹介します。 インフルエンザにかかったら一刻も早く症状を和らげたいですよね。 インフルエンザの検査について適切な知識があれば、「インフルエンザかも」と思ったときにスムーズに対応できます。 ぜひ、最後までお読みください。
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目次

インフルエンザ検査キットで検査する場合

インフルエンザの検査キットは市販で売られており、心配になったときにすぐに検査できるのが魅力です。

市販のインフルエンザ検査キットは、病院に行かなくても自宅で簡単にセルフチェックできます。

すぐに検査結果を知ることができるため、インフルエンザが流行する時期になったら、備えとして自宅にいくつかストックしておくと便利です。

どこで購入できるのか、検査のタイミングなどを紹介します。

インフルエンザの検査キットは市販されている?

インフルエンザの検査キットは、市販されており、だれでも購入できます。

ただし、インフルエンザウイルスだけの検査キットではなく、新型コロナウイルスとの同時検査ができるタイプが多いです。

インフルエンザウイルス感染症と新型コロナウイルス感染症は、症状が非常に似ており、症状だけでの鑑別が難しいためです。

また、検査キットで検査はできても、病気の診断をするものではありません。

市販の検査キットで陽性や陰性が出ても、参考程度にとどめ、安易に自己判断しないようにしましょう。

もし、市販の検査キットで検査後に医療機関を受診する場合、検査結果の写真を撮っておくと、受診の際に便利です。

検査の時間や症状などをメモしておくと良いでしょう。

また、検査キットを直接病院へ持参することはやめましょう。

検体を付けた検査キットは、感染源となる場合があります。

使用した綿棒と一緒にビニール袋に入れ、しっかり封をしてから廃棄してください。

インフルエンザの検査キットはどこで買える?

インフルエンザウイルスの検査キットは、ドラッグストアや薬局、インターネット通販で購入できます。

インターネット通販で販売されている検査キットの中で、「研究用」と書かれたものが売っている場合があります。

「研究用」と書かれたものは、国が販売を認めたものではないため、購入して自宅で検査をしても正しい結果が出るか保証がありません。

検査キットを購入する場合には、「体外診断用医薬品」や「第1類医薬品」とパッケージに明記されているものを選びましょう。[1]

市販の検査キットは、購入の際には薬剤師からの説明を受けましょう。

インフルエンザの検査キットは唾液でもできる?

インフルエンザの検査は鼻腔を拭って検査を行うため、痛くて苦しいイメージですよね。

唾液で検査できれば、負担も少ないし、自宅で検査する場合でも簡単にできます。

インフルエンザの検査キットは、少しでも苦痛を少なくするために唾液で検査できるタイプも販売されています。

医療機関で検査を行う場合でも、病院やクリニックによりますが唾液で検査することができます。

インフルエンザは、呼吸器感染症を起こすウイルスのため、ウイルスはのどに付着していることが多いです。

そのため、鼻の粘液を採取して検査をすることが一般的です。

最近では、少しでも負担が少なく検査する方法として、唾液での検査方法があります。

しかし、唾液での検査は鼻腔から検査をするよりウイルス量が少ない場合があるため、多少精度が劣ります。

また、唾液での検査は検体を採取する前にいくつか注意事項があります。

唾液で検査する場合の注意事項は以下の通りです。

  • 唾液採取前の30分間は飲食を控える

  • 歯磨きやうがいは30分前に済ませる

  • 喫煙は控える

基本的な注意事項は上記の内容ですが、使用する検査キットによっても異なる場合があります。

注意事項を守らず検査をすると、正しい結果が出ない可能性が高いです。

使う予定のキットの使い方や注意事項をしっかり確認してから、検査を行いましょう。

インフルエンザの検査キットの見方は?

インフルエンザの検査キットはシンプルなものが多いです。

しかし、サインが出ていても見方が分からなければ陽性か陰性か判断することができません。

インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの同時検査ができるキットでは、インフルエンザと新型コロナとで検査結果が別に表示されます。

また、インフルエンザの判定では、「A型」か「B型」か罹患したインフルエンザの型が判別できるものが主流です。

検査キットの「flu」はインフルエンザを表しています。結果表示ラインには「A」「B」と書かれていて、ここにラインが出るとインフルエンザ陽性です。

「A」がA型インフルエンザ、「B」がB型インフルエンザを指しています。

新型コロナの場合は、「SARS-CoV-2」と表記されていて、結果表示ラインの「T」と書かれた部分にラインが出ると新型コロナ陽性です。

その他、「C」の表示は、「コントロールライン」と呼ばれ、ここに印が出ると検査が正しく終了したことを表しています。

コントロールラインに、しっかりと印が表示されない場合、有効な検査ができていない可能性が高いです。

新しい検査キットを使って再度検査しましょう。

使用する検査キットによって表示や見方が異なる場合があるため、よく説明書を読んで見間違えないようにしましょう。

インフルエンザの検査キットで検査をするタイミングは?

検査のタイミングは、発症してから12時間~48時間以内に行いましょう。

それより早いと、ウイルス量が十分ではなく、陽性であっても陰性と表示される場合があります。

抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内に服用する方が望ましいです。

そのため、検査も48時間以内に行う方がいいでしょう。

検査の結果は、100%当たるわけではありません。

陰性が出ても、症状があったり家族にインフルエンザの患者がいる場合は、インフルエンザの可能性が高いと言えます。

検査キットの結果は病気を診断するものではありません。自己判断はせず、医療機関を受診しましょう。

インフルエンザの検査を病院で受ける場合

インフルエンザの検査を病院で受ける場合の、タイミングや費用、検査の時間を紹介します。

インフルエンザの検査タイミング

インフルエンザの検査のタイミングは、症状が出てから12時間~48時間以内が望ましいです。[2]

ウイルスの量が少ないと陽性でも陰性の結果が出る可能性があります。

そのため、検査に反応が出る程度までウイルスが増えるのを待つ必要があり、症状が出てから検査までは少し時間を開けましょう。

また、発症してから48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬を服用する方が効果が高いため、検査も発症後48時間以内に行いましょう。

一般的には、症状が出てから12時間以上経過してから検査を勧める医療機関が多いです。

しかし、導入している検査キットや検査システムの違いにより、3時間~6時間以上経過していれば検査ができるとしている病院やクリニックもあります。

無駄な検査をしないために、受診する予定の医療機関へ確認するのも良いでしょう。

症状を緩和して身体の負担を軽くするだけでなく、家族や周囲への感染拡大を防ぐためにも、適切なタイミングで検査を受けることが必要です。

インフルエンザの検査費用

インフルエンザの検査を病院で受ける場合、単純に検査費用だけがかかるわけではありません。

初診料や再診料、検査料などがかかります。

また、薬を処方された場合は、処方せん料や薬代もかかります。

症状があり医療機関を受診した場合、ほとんどの人が3割負担で受診することができるでしょう。

一般的に70歳~75歳の人は2割負担、75歳以上の人は1割負担です。

しかし、75歳以上でも収入によっては3割負担の場合があります。[3]

実際にインフルエンザの疑いで受診した場合の金額は、診察料や検査料、処方せん料など全て含めて3割負担で約7,000円程度かかるでしょう。

夜間診療や休日診療を利用した場合は、さらに費用がかかることが見込まれます。

インフルエンザの検査時間

体調が悪い中、検査の結果を待つ時間はとても長く感じ、大変だと感じるでしょう。

インフルエンザの検査の結果がでるまでの時間は、約10分~20分程度です。

しかし、インフルエンザは流行性の感染症のため、同じようにインフルエンザの検査を受けに来ている人もいるでしょう。

クリニックや病院が混み合っている場合は、それ以上に待つ時間ができる可能性があります。

もし待っている間に体調が悪化するような場合は、早めに看護師などの医療スタッフに伝えましょう。

インフルエンザの検査方法

インフルエンザの検査方法で一番普及しているのは、迅速診断法です。

どのような検査なのか、紹介します。

インフルエンザの一般的な検査方法

インフルエンザの検査は、迅速診断法と呼ばれる検査方法です。

そのなかでもよく行われているのが、「鼻咽頭ぬぐい液」と呼ばれるものです。これは鼻の奥から検体を採取し検査をします。

滅菌綿棒を鼻から挿入し、くるくる回しながら綿棒に検体が付着するようにします。

子供の場合で約5㎝ほど、大人の場合で最大10㎝ほど綿棒を挿入する必要があり、痛みや苦痛を伴う場合が多いです。

知っている方は「あの痛いやつね」と思われるでしょう。

インフルエンザのウイルスは、喉に付着し増殖します。

そのため、ウイルスが付着している部分まで綿棒が届かなければ、有効な検体が採取できません。

正しい検査結果を得るためには、痛みや苦痛があっても綿棒を奥の方に挿入する必要があります。

鼻以外のインフルエンザの検査方法は?唾液でもできる?

正しい検査結果を得るためと言われても、誰でも痛みや苦痛は避けたいですよね。

「鼻咽頭ぬぐい液」の検査は、綿棒を鼻の奥まで入れるため、患者がくしゃみをする可能性が非常に高いです。

インフルエンザは飛沫感染するので、くしゃみで飛沫が飛ぶことで、周囲にいる人や検査のために近くにいた医療従事者の感染リスクが上がります。

鼻からの検査はデメリットも多いと言えるでしょう。

そのため、最近では鼻以外でもできるインフルエンザの検査方法があります。

「鼻咽頭ぬぐい液」以外の方法を紹介します。[4]

  • 唾液での検査

  • 鼻腔から検体を採取して検査

  • 鼻水で検査

唾液での検査は、容器に唾液を出してもらうだけで検体の採取は完了です。

非常に簡単で、苦痛もなくとても魅力的な検査方法です。

しかし、唾液中に十分なウイルス量がなく、鼻咽頭ぬぐい液に比べると検査の精度は落ちます。

次に、鼻腔から検体採取をする方法です。「鼻腔ぬぐい液」と呼ばれ、「鼻咽頭ぬぐい液」と同じで綿棒を鼻から挿入します。

しかし、綿棒の挿入長さが2㎝~3㎝程度で済むため、「鼻咽頭ぬぐい液」より検査の苦痛が少ないでしょう。

ただし、鼻が詰まっている場合は綿棒が必要量挿入できないため、検査できません。

また、「鼻咽頭ぬぐい液」と同じでくしゃみのリスクがあり、感染を広げる可能性があります。

最後に、鼻水での検査方法で、「鼻汁鼻かみ液」と呼ばれます。

これは、患者自身にティッシュに鼻をかんでもらい、ティッシュに出た鼻水で検査を行います。

患者自身で検体が採取できるため、簡単な方法ですが、鼻水が出ていない場合や鼻がかめない小さな子供には不向きです。

いくつかインフルエンザの検査の鼻以外の方法を紹介しましたが、どれもメリットデメリットがあります。

また、医療機関によって検査方法は異なりますので、どうしても鼻以外で検査がしたい場合には、病院やクリニックに確認してみましょう。

子供の場合のインフルエンザの検査方法は?

インフルエンザの検査は子供も受ける場合があります。

子供の場合、子供用の特別な検査方法があるわけではなく、大人と同じ検査方法で検査をします。

検査の説明をしても、年齢によって検査をしっかり理解し協力することが難しいです。

そのため、安全に留意しながら検査をする必要があるでしょう。

場合によっては、保護者の方に協力をしてもらうことがあります。

お気に入りのおもちゃやぬいぐるみなどがあると、子供が落ち着いて検査が受けられるでしょう。

インフルエンザの検査をしてくれないとき

医療機関を受診しても、インフルエンザの検査をしてもらえない場合があります。

医師が診察をして、以下のような場合にはインフルエンザの検査をせず診断をすることがあります。

  • 明らかなインフルエンザの症状や所見がある

  • 家族や周囲にインフルエンザウイルス感染症を発症している人がいる

  • インフルエンザの流行状況

インフルエンザの検査は、痛みや苦痛が伴います。保険診療とはいえ、自己負担も発生します。

無駄な検査はしない方がいいでしょう。

また、検査をしても100%当たるわけではありません。結果が陰性でも、インフルエンザではない証明にはならないのです。

そのような観点からも、医師が検査をせずインフルエンザと診断する場合があります。

Q&A

インフルエンザの検査について、よくある質問を紹介します。

インフルエンザの検査は痛い?

インフルエンザの検査は痛いという印象を持っている人もいるでしょう。

一般的に行われている迅速診断法では「鼻咽頭ぬぐい液」と呼ばれる検査があります。

これは、綿棒を鼻の奥まで挿入し、検体を採取する方法です。

綿棒を鼻の奥まで入れるときに、痛みや苦痛が生じます。

しかし、最近では、鼻水や唾液で検査できる方法もあります。

インフルエンザの検査はいつから受けられる?

インフルエンザの検査は、症状が出てから12時間以上経過してから受けるのが望ましいです。

病院やクリニックによっては、3時間~6時間以上経過していれば検査ができるとしているところもあります。

タイミングが早すぎる検査は、ウイルスの量が少なく、正しい検査結果が出ない可能性が高いです。

適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。

インフルエンザの検査キットは薬局でも買える?

一般の方が購入できるインフルエンザの検査キットは、ドラッグストアや調剤薬局、インターネット通販で購入することが可能です。

薬剤師から、検査キットの説明を受けてから購入しましょう。

また、インターネット購入する場合、「研究用」ではなく「体外診断用医薬品」や「第1類医薬品」とパッケージに書かれたものを購入しましょう。

まとめ

インフルエンザの検査キットや検査のタイミング、検査時間や検査方法について紹介しました。

市販の検査キットがあれば、簡単にセルフチェックができるため便利です。

流行が始まるまえに、薬局やドラッグストアで購入し、準備しておくと安心です。

また、インフルエンザは、とてもつらい症状が出る感染症です。

すぐに受診したい気持ちはわかりますが、検査をするには適切なタイミングがあります。

症状が出てから、しっかり検査ができるようになるまで12時間以上は必要です。

一般的に行われている迅速診断検査の場合は、検査してから結果が出るまでは早いでしょう。

インフルエンザにかからないことが一番ですが、もしかかってしまっても適切に検査を行うと、早めに治療が開始できます。

インフルエンザにかかったときのために、検査に対する適切な知識を持つことでスムーズな対応ができるでしょう。

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参考文献

[1]新型コロナウイルス感染症・季節性インフルエンザ同時期流行下における一般用新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス抗原定性検査キットの販売時における留意事項について|厚生労働省

[2]発症から検査までの時間がインフルエンザ迅速抗原検査に与える影響:前向き観察研究|j-stage

[3]医療費の一部負担割合について|厚生労働省

[4]新型コロナウイルス感染症の鼻腔拭い液を用いた検査について|厚生労働省

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