【2023年最新版】乳児期の予防接種スケジュール【徹底解説】

公開日: 2024/01/20 更新日: 2024/01/20
日本の子どもたちを予防接種(ワクチン)で予防できる病気から守り、後遺症を残すことがないように、必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することはとても重要です。 一番早い予防接種は生後2か月頃からスタートしますが、生まれてすぐのお子さんに注射をすることに抵抗感を覚える親御さんも少なくありません。 「本当に予防接種をしなければいけないの?」「注射をすることでデメリットはないの?」「どの順番で打てばいいの?」さまざま疑問や不安を抱え、予防接種スケジュールをどのように組んでいけばよいのか、悩んでいる親御さんがほとんどです。 今回は乳児期に接種すべき予防接種のスケジュールだけでなく、目的・注意点も合わせて解説します。

乳児期の予防接種のスケジュール

乳児期とは、生まれてすぐから生後12ヶ月、1歳になるまでの間の時期です。

この時期には、次の予防接種が推奨されています。

  • インフルエンザ菌b型(ヒブ)
  • 肺炎球菌(PCV13)
  • B型肝炎
  • ロタウイルス(1価・5価)
  • 4種混合(DPT-IPV)
  • 3種混合(DPT
  • 2種混合(DT)
  • ポリオ(IPV)
  • BCG
  • インフルエンザ
  • 新型コロナ

それぞれの予防接種の接種回数・接種間隔について解説します。

ワクチン名接種回数接種間隔
インフルエンザ菌 b型(ヒブ)4回 (初回3回、追加1回)①生後2~6ヶ月

 

1回目から4~8週間隔で2回目

2回目から4~8週間隔で3回目

3回目からおおむね1年後の1歳早期に4回目 ②生後7~11ヶ月

1回目から4~8週間隔で2回目

2回目からおおむね1年後に3回目

肺炎球菌(PCV13)4回 (初回3回、追加1回)①生後2か月~6か月

 

1回目から4週以上の間隔で2回目(定期接種では13か月未満までに接種)

2回目から4週以上の間隔で3回目

3回目から60日以上の間隔をあけて生後12か月~15か月に4回目 ②生後7か月~11か月

1回目から4週以上の間隔で2回目

2回目から60日以上の間隔をあけ、1歳代(生後12か月~15か月)で3回目

B型肝炎2回、追加1回4週間隔で2回 2回目から4~5か月経ってから3回目
ロタウイルス (1価・5価)2~3回①1価(ロタリックス) 4週間隔で2回接種。

 

遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目。

生後24週(168日)までに2回目。

生後24週以降は接種できない。 ②5価(ロタテック) 4週間隔で3回接種。遅くとも生後14週6日(生後3か月半過ぎ)までに1回目。

生後32週(224日)までに3回目。

生後32週以降は接種できない。

4種混合 (DPT-IPV)4回 (初回3回、追加1回)*ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)の4種類 1期:生後2か月以降に3~8週間隔で3回。

 

3回目の約1年後(6か月後以降)に4回目

3種混合(DPT)1回*ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)の3種類 1期:生後2か月以降に3~8週間隔で3回。

 

3回目の約1年後(6か月後以降)に4回目

2種混合(DT)1回*ジフテリア(D)、破傷風(T)の2種類 1期:生後2か月以降に3~8週間隔で3回。

 

3回目の約1年後(6か月後以降)に4回目

ポリオ(IPV)1回生後2か月以降に3〜8週間隔で3回。

 

3回目の約1年後(6か月後以降)に4回目。

BCG1回生後5か月~7か月
インフルエンザ毎年2回10月ごろに1回目。

 

およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目。

新型コロナ【初回】3回1回目の通常3週間後(19~21日後)に2回目 2回目の8週間後(56日後)に3回目

参考:日本の子どもが接種するワクチン

月齢別 予防接種開始スケジュール

ここでは、接種開始ができる予防接種の目安について月齢別に解説します。

推奨される予防接種開始目安を過ぎてしまった場合には、かかりつけ小児科医師と相談しながら順次接種をすすめましょう。

生後2ヶ月インフルエンザ菌b型(ヒブ) 肺炎球菌(PCV13) B型肝炎 ロタウイルス(1価・5価) 4種混合(DPT-IPV)
生後5ヶ月BCG
生後6ヶ月日本脳炎 インフルエンザ 新型コロナ

乳児期の予防接種の目的

生まれてすぐの赤ちゃんは、ウイルスや細菌と戦うために必要な免疫物質を、お母さんの胎盤を通して受け取っています。

この母子免疫(受動免疫)の効果は、生まれてから日数を経過するとともに減り、生後半年くらいまでにはなくなってしまいます。

赤ちゃんの免疫物質が減り、ウイルスや細菌に無防備になってしまう生後半年頃までに、免疫をアップしておくために予防接種をおこなうのです。

乳児期の予防接種の注意点

乳児期の予防接種の注意点は以下の3つです。

  • 同時接種
  • 接種間隔
  • ベストタイミング

順に解説します。

同時接種

0歳で接種する予防接種は15本以上。

赤ちゃんとご家族の通院負担を最小限にし、最大の効果を得るために“同時接種”が推奨されています。

同時接種は複数のワクチンを場所を変えて、同じ日に接種する方法です。

たとえば、1種類は左腕、もう1種類は右腕、さらに両太ももに1種類ずつ、そして口から飲むなどです。

同時接種をしたからといって、赤ちゃんに副作用が起こりやすくなったり、予防接種の効果が弱くなったりということはありませんので安心して接種してくださいね。

接種間隔

予防接種の種類によって、どのくらいの間隔をあけなければならないかが異なります。

麻しん風しん混合ワクチン・水痘ワクチン・BCGワクチン・おたふくかぜワクチンなどの生ワクチンの予防接種は、接種後4週間(中27日)以上あける必要があります。

引用:ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ 厚生労働省

不活化ワクチンと経口(飲むタイプ)生ワクチンの接種間隔の制限は、2020年10月以降から廃止されました。

接種に際しては同じ予防接種同士の間隔、他の予防接種との間隔など、配慮すべきことがたくさんあります。

かかりつけ小児科医師と相談しながら接種をすすめましょう。

ベストタイミング

予防接種には最大の効果を得るための“ベストタイミング”があります。

ロタウイルスワクチンは生後32週以降に接種すると、腸重積という腸の病気の発症率が高くなると報告されています。

そのため、生後32週をすぎると接種できません。

そのほかにも、インフルエンザが流行するシーズンに合わせて予防接種をすると、インフルエンザの発症予防効果が最大限発揮できます。

適切な時期に、赤ちゃんに負担がないように予防接種をすすめていきたいですね。

わからないことはかかりつけ医に相談しよう

赤ちゃんは体調を崩しやすく、計画通りに予防接種が進まないことに悩まされるかもしれません。

さらにインフルエンザや新型コロナなど、流行時期も考慮して予防接種スケジュールを立てるのはとても大変です。

そんなときに、心強い味方になってくれるのは「かかりつけ小児科」です。

お子さん一人ひとりのアレルギーや持病、家族構成、地域の感染症の流行状況などさまざまな情報から、お子さんに合ったスケジュールを立ててくれるでしょう。

まとめ

本記事では、1歳になるまでの予防接種のスケジュールについて解説しました。

予防接種は病気にかかりにくくするだけでなく、かかってしまった場合に重症化しにくくしたり、命を守ったり後遺症を残しにくくするためにとても重要です。

病気に対する抵抗力が弱い赤ちゃんの予防接種は、母親から貰った免疫力が低下しはじめる生後2か月を目安にスタートさせましょう。

「スケジュールの立て方がわからない」

「予防接種の優先順位がわからない」

「副作用が心配」

些細な疑問・質問でもかまいませんので、お気軽に当院にお問い合わせください。

お子さんお一人おひとりにあった予防接種スケジュールで、予防できる病気にかからない・重症化しない・後遺症を残さないようにしていきましょう。

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