双極性障害ってどんな病気？
双極性障害は、憂うつで無気力なうつ状態とハイテンションな躁（そう）状態をくり返す病気です。
双極性障害は、過去「躁うつ病」と呼ばれていました。
うつ病と混同されがちですが、うつ病と双極性障害は違う病気で、治療法も異なります。
感情の波が激しいだけと思って受診の機会を逃したり、躁状態のときに完治したと思って治療を中断したりしてしまうこともあります。
自己判断で治療を遅らせてしまわないよう、双極性障害の症状やうつ病との違いについて知っておきましょう。
双極性障害の症状
双極性障害の症状には、大きく分けてうつ状態（うつ病エピソード）と躁（そう）状態（躁病エピソード）の2種類があります。
うつ病エピソードでは、うつ病のように憂うつで無気力な状態が続き、次のような症状があらわれます。
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1日中気分が落ち込む
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やる気が出ない
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何をしても楽しめない
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眠れない・眠りすぎる
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食欲がない・食べ過ぎる
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肩こりや頭痛などの体の症状が出る
一方、躁病エピソードは簡単に言うとハイテンションが続く状態です。
次のような症状があらわれます。
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寝なくても元気に活動できる
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話し続ける・やたらと話しかける
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人の話を聞かなくなる
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次々にアイデアが浮かぶ
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大金を使って買い物やギャンブルをする
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性に奔放になる
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根拠のない自信がある
躁状態の程度によって、双極性障害は2種類に分けられます。
日常生活に支障をきたすほどの躁状態があらわれるものを双極I型障害、日常生活に支障はきたさない程度の軽い躁状態（軽躁エピソード）のみのものを双極II型障害と呼びます。
感情の波と双極性障害の違い
人は誰しも、嫌なことがあれば落ち込み、嬉しくて楽しいことがあると気分が上がるものです。
このような感情の波があることは当たり前で、決して病気ではありません。
しかし、落ち込みすぎて日常生活がままならない状態や、気分が上がり周りの人を傷つけてしまったり、お金を大胆に使い破産してしまったりする状態など「あまりにも普段と違う」という場合には、こころの病気を疑う必要があるでしょう。
特に、感情の波が極端な状態をくり返す場合は双極性障害を発症しているかもしれません。
双極性障害の状態は自分自身で気づくことが難しく、周りの人が「いつもとは違う」「あの人は様子が変だ」と感じる場合も多いです。
身近な人から感情の起伏や大胆な行動を心配される場合は、受診を検討しましょう。
うつ病との違い
双極性障害は、以前は躁うつ病と呼ばれていたこともあり「うつ病の一つ」と思われがちです。
ですが、実際には全く異なる病気です。
うつ病はうつ状態のみが続くのに対し、双極性障害ではうつ状態と躁状態をくり返します。
また、治療に使うお薬も異なります。
しかし、双極性障害とうつ病を見分けることは難しく、慎重に診断することが必要です。
うつ病がなかなか良くならない場合、うつ病エピソードとうつ病エピソードの間に元気な時期（躁病エピソード）があり、実は双極性障害だった、ということもあります。
「自分はうつ病だ」と思って診察を受けていると、躁状態に気がつきにくいこともあるでしょう。
医師の診察を受けるときは、気分の落ち込みについてはもちろん、元気なときの様子も医師に話してみましょう。
双極性障害にはどんな治療方法がある？
双極性障害の治療では「薬物療法」と「心理社会的治療」を行います。
どの病気でもそうですが、双極性障害も治療を中断してしまうと再発しやすくなり、症状がどんどん悪化してしまいます。
適切な治療をコツコツ続けていきましょう。
薬物療法
双極性障害の治療には気分安定薬と抗精神病薬を使用します。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 気分安定薬 | 脳の活動を穏やかにし、極端な気分の波をおさえて、うつ状態・躁状態両方の予防・改善に使用する。 効果や副作用の確認のため血中濃度の測定をする場合もある。 |
| 非定型抗精神病薬 | 脳内のドーパミンやセロトニンなどのバランスを整えて、うつ状態・躁状態を改善する。 |
双極性障害では、そのときの症状に応じて治療薬の組み合わせや服用方法を変更していきます。
必ず医師の指示どおりに服用するようにしましょう。
また、双極性障害の治療では、うつ病の治療薬（抗うつ薬）は使用しません。
双極性障害のうつ状態にうつ病の治療薬を使うと躁転（躁状態を誘発してしまうこと）の恐れがあるため、抗うつ薬を飲み始めてから気分の波が激しくなった場合には注意が必要です。
心理社会的治療
心理社会的治療とは、自分の症状について理解するとともに、心理面や対人関係の改善を図っていく心理療法です。
次のような治療法があり、本人だけでなく家族のサポートも行います。
心理教育
自分の病気について正しく理解したうえで、再発を避けられるような生活を身に付けていきます。
認知行動療法
考え方のクセを修正します。うつ状態の否定的な考えや落ち込みを軽減できる心理療法です。
対人関係・社会リズム療法
対人関係におけるストレスを減らすため、対人関係の量や生活リズムをコントロールしていきます。
家族療法
患者さんの家族が行う心理療法です。患者さんの病気について理解し、適切な対応や心構えを学びます。
心理社会的治療は、薬物療法と一緒に行うことで再発予防に役立つでしょう。
双極性障害の治療にオンライン診療でできること
「双極性障害かもしれないけど、いきなり病院へ行くのには抵抗がある」
「家族の様子がいつもと違うけど、病院へ行きたがらない」
そんな場合は、精神科・心療内科を取り扱っているオンライン診療という選択肢もあります。
精神科・心療内科のオンライン診療では、スマホやPCから受診でき、ビデオ通話で直接医師と話してご自宅で双極性障害の診察と治療が受けられます。
対面の医療機関へ出向くことに抵抗があるご家族にもおすすめしやすいでしょう。
ここでは、双極性障害の治療のためにオンライン診療でできることを、メリット・デメリット・オンライン診療の流れとともに解説します。
オンライン診療のメリット
心療内科・精神科のオンライン診療で双極性障害の治療をするとき、メリットと感じられるのは次のような特徴でしょう。
- スマホやパソコンがあれば診察予約・診察・会計までオンラインで完結できる
- 土日祝や夜間でも受診できる（当院は年中無休の予約制で、当日予約も受け付けています）
- 自宅のようなリラックスした環境で診察してもらえる
オンライン診療では、受診の予約から会計まで、すべてオンラインで完結します。
予約の際に医療機関へ電話する必要がなく、スマホアプリやWebサイトから24時間いつでも予約できることが特徴です。
また、ファストドクターメンタルクリニック(オンライン診療)では、土・日・祝でも受診可能です。
平日昼間は仕事や学校の授業を受けているという方も多いですよね。
仕事や学校を休みたくないという方は、オンライン診療を検討してみると良いでしょう。
オンライン診療では、自宅のようなリラックスした環境で受診できることが大きなメリットです。
外出するのが怖い方や病院だと緊張してしまう方にとっては、おすすめの受診方法です。
移動や待ち時間なく受診できるので、通院を周りに知られたくない、ついつい受診を後回しにしてしまうといった方も安心してご利用いただけます。
オンライン診療のデメリット
一方で、心療内科・精神科のオンライン診療では次の点がデメリットと感じるかもしれません。
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顔を見せながら落ち着いてビデオ通話できる環境が必要
- 対面診療を勧められる場合がある
オンライン診療では、患者さんの話す内容に加えて、顔色や表情も見たうえで病状を判断していきます。
そのため、患者さんの顔が見えない状態でのオンライン診療はできないため注意しましょう。
また、心療内科・精神科でも、身体の状態を把握するため患者さんの体に触れる「触診（しょくしん）」や、心音や呼吸の音を聴く「聴診（ちょうしん）」など、身体の病気がないか調べるための検査をすることがあります。
オンライン診療ではその場でこのような検査ができないため、必要に応じて対面診療を勧める場合があります。
心療内科・精神科のオンライン診療の流れ
ここでは、夜間・休日も全国エリアで対応しているファストドクターのメンタルクリニックを例に、心療内科・精神科のオンライン診療を受ける流れについて解説します。
※医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
①予約
予約サイトにある「診察予約する」または「予約する」を押して、画面の表示にしたがって必要情報を入力します。入力後に届く仮予約メール到着後、30分以内にURLをクリックすると予約が完了します。
②事前問診
予約完了画面に問診ボタンが表示されるので、画面の表示にしたがって保険証やお薬手帳の画像をアップロードしていきましょう。
③診察
診察時間の30分前にビデオ通話用URLがメールで届きます。診察時間になったらURLをクリックして入室します。
まずは診療前相談をした後、診察がスタートします。
※診察前相談の結果、オンライン診療を行わない場合は診療費用は発生しません。
④お会計
診察の翌日以降、お会計についてのメールが届きます。クレジットカードで支払いをします。
※クレジットカードを持っていない場合は、口座振込での支払いも可能です。相談してみると良いでしょう。
職場などへ診察を受けた証明を提出する必要がある場合、診断書を発行することもできます。医師と相談したうえで、休職を希望する場合は、診断書や傷病手当金申請書など、各種申請書・証明書の発行も対応しています。
当院指定書式の診断書を希望された方にはご診察後3日以内を目安に【PDFファイル形式（メール添付）】にてお送りします。ご希望の場合は事前問診および診察時にその旨をお知らせください。
※当院指定書式以外の診断書を希望される場合には、診察希望日の7日以上前までにinfo_mental@fastdoctor.jpにPDFファイル形式で当該のフォーマットをお送りください。
事前相談なく診察当日に依頼いただいても対応できかねますのでご留意ください。
※最終的な発行可否は医師の医療的判断によります。
書類によっては継続的な診察を通して発行可否を判断するものもございますため、初診時に発行できない場合もございますことをご了承ください。
まとめ
双極性障害は、うつ状態と躁状態をくり返す病気で、うつ病と間違われやすいです。
また「感情の浮き沈みが激しい性格なんだ」と思いこんで、受診が遅れてしまう場合もあります。
双極性障害は、治療薬や生活リズム・ストレス量をコントロールする心理社会的治療で改善していくことができます。
ですが、躁状態のときに症状が良くなったと思ってしまい治療を中断してしまう患者さんも少なくありません。
受診が遅れたり治療を自己判断で中断したりしてしまうと、双極性障害の症状がひどくなってしまうことがあります。
「なんだかいつもと調子が違うな」と感じたら、早めに医療機関などに相談して、適切な治療を受けていきましょう。
当院はオンラインで受診でき、治療の継続がしやすい精神科・心療内科です。
双極性障害の相談も受け付けています。
