頭の中で独り言が止まらない!うるさくて騒がしいと感じるのは病気なの?

公開日: 2024/01/10 更新日: 2024/05/22
自分自身以外には聞こえない音や独り言、誰かの声が頭の中で聞えるときはありませんか。 もし、頭の中で音や独り言、誰かの声が聞こえる場合は、統合失調症や自律神経失調症のような病気かもしれません。 現在、頭の中が常にうるさいと感じている、または家族等に頭の中がうるさいと感じている人がいる方は必見です。 本記事では下記の内容を中心に解説していきます。 ・頭の中がうるさいと感じる理由と対処法 ・統合失調症や自律神経失調症、ADHDなど考えられる病気 ・自分自身や家族等に症状が出ていた時の対応 健康な心身であれば、頭の中で独り言が止まらなくなる症状は、ほとんどありません。 今回紹介する病気や症状で当てはまる点がある方は、お近くの医療機関への受診をおすすめします。
目次

頭の中がうるさいと感じる理由とは?

頭の中がうるさいと感じるのは、心のSOSだと認識しましょう。「思い込み」や「気のせい」で、「すぐに治るだろう」と考えてしまう方は多い傾向があります。

内臓や骨、ホルモンバランスなどの体内は、日々状態が変化しているため、体調や環境により実際に聞こえてくる音が頭の中に響く場合があります。

病気ではないと言い切れないため、体調が回復すると症状が軽快する場合は、経過を観察していくのも一つの方法です。

しかし、室内外や天気、人間関係に関わらず音や独り言、誰かの声が常に頭の中でうるさいと感じる場合は医療機関への早期受診がおすすめです。

日々の生活で過度なストレスを感じていたり、考えがまとまらなくなったりしているかもしれません。

自分自身が気づいてあげられていないストレスが積み重なり、心身共にが悲鳴をあげている可能性があります。

頭の中がうるさいと感じるのは病気の症状かも

頭の中がうるさいと感じるのは心のSOSであり、すでに病気を発症している可能性があります。早めに、近隣の医療機関へ受診をおすすめします。 

頭の中で音や声が聞こえる病気は、内科系や精神疾患かもしれません。中でも、頭の中がうるさいと感じる方の代表的な病気が統合失調症です。

統合失調症ってどんな病気?

統合失調症とは、原因不明で幻覚、妄想、まとまりのない思考や行動、意欲の欠如などの症状を示す精神疾患です。[1]

日本で精神疾患を発症している方は約419.3万人と年々増加しています。[2]その中で統合失調症と診断された方は約80万人です。[2]

精神疾患はこころの病気を意味しており、精神疾患による症状が日常生活を妨げていることが精神障害と分類されています。[19]

統合失調症について、原因や症状、治療法について解説していきます。

原因

統合失調症の原因は解明されていませんが、青年期(10歳頃から10代後期)または成人期早期(20代から40代頃)に症状が出現し始めます。[3]

発症に男女差や文化の違いは特にありません。

現在では、下記の内容が原因と考えられています。[3]

  • 遺伝的な要因

  • ウイルスによる感染症

  • 子どもの頃の暴力やネグレクト

  • 環境の変化によるストレス(例.失業や貧困、失恋など)
    など

病気を発症しても見た目では分かりにくいですが、病気が発症したことにより体内では変化が見られました。[3]

  • 脳の構造が変化

  • 神経伝達(ドパミン及びグルタミン酸)の活性が変化

また、ストレス耐性が低い方は環境のストレスとの相互作用により統合失調症の症状の出現、再発につながる可能性があります。

症状

統合失調症の代表的な症状は幻聴、幻覚です。

行動を監視されていると感じたり、自分自身の性格を否定・批判するような声が聞こえます。実際に監視されていないと説明しても、制御できません。

知り合いの声の場合もあれば、面識のない誰かの声が聞こえる場合もあります。はっきりとした声で聞こえる方が多いです。

幻聴から外出に恐怖心を抱いたり、今まで好きだったことが突然、興味がなくなるような日常生活への支障は避けられません。

他にも、統合失調症における症状は4つのカテゴリーに分類されます。[3] [4]

  • 解体症状:思考障害、奇異的な行動

  • 認知症状:情報処理の障害、問題解決の障害
    (例.注意、他の人の視点を理解できない、学習能力の低下)

  • 陽性症状:正常な機能に歪みが生じる
    (例.幻覚、妄想、精神運動興奮、昏迷)

  • 陰性症状:正常な機能や感情の減弱、喪失
    (例.抑うつ、無気力、倦怠感、感情の平坦化)

症状の出現は統合失調症の病期で異なります。病期は4〜5つに分類されますが、発症から再発まで病期を行ったり来たりする可能性が高いです。[3][4]

  • 前兆期:不安や不眠、神経過敏、身体症状など

  • 急性期(進行前駆期・精神病早期・中間期):
    解体症状、認知症状、陽性症状、陰性症状

  • 安定期(回復期・慢性期・維持期):陰性症状が残りやすい

統合失調症の症状は早期の段階で日常生活に支障をきたす場合が多く、上記のような症状を自覚されている方は心療内科・精神科の受診をおすすめします。

治療法

統合失調症の治療法は、抗精神病薬を使用する薬物療法がメインです。

近年の治療目標はリカバリー(回復)とされており、完治ではなく回復が目標です。[5]統合失調症が発症すると、精神的だけでなく身体的な機能も低下していきます。

治療薬は統合失調症の病期に合わせた調整が必要です。

薬の種類は様々ですが、基本的には1種類の抗精神病薬を使用していきます。飲み始めて症状が改善がみられても、薬の副作用で便秘や手の震えなどが現れやすいです。

また、薬は効果を感じ始めるのが3〜4週間ほどかかるため、即効性はなく気づいたら症状が和らいでいると感じる方もいます。[6]

また、症状の減退・消失だけでなく、社会参加もできるようにサポート体制を整えることも必要です。

社会参加するためにカウンセリングを行い、ストレスを減らし、家族や知り合いとの関係を調整します。ピアサポートを受けるのも一つの方法です。

ピアサポートとは、自分自身と同じような立場や境遇、経験など同じような共通点がある方と対等な人同士の支え合いを表す言葉です。[7]

病気の症状で悩んだ経験や乗り越えた課題を共有し、現在同じような症状で苦しんでる方を支える活動をしています。

統合失調症を持つ方や関わる家族、知り合いだけではリカバリーは困難になります。医療スタッフや制度を利用し、地域全体で支えていくことが大切です。

統合失調症と似ている病気

統合失調症と似ている病気でも、頭の中がうるさいと感じることがあります。精神疾患の中で、症状が統合失調症と似ている病気も確認していきましょう。

専門の医師により判断されますが、頭の中がうるさいと感じたり、独り言が頭の中で止まらないような症状が出現しやすいです。

自己での判断は困難なため、専門家に相談するのがおすすめです。

短期精神病性障害[20]

短期精神病性障害とは、1日以上かつ1ヶ月未満の妄想や幻覚、他の精神病症状が出現します。しかし、最終的には病気になる前の正常な心身の状態に回復する障害です。

短期精神病性障害を発症する方は少なく、珍しい障害です。

原因

もともとパーソナリティ障害を発症している場合

全身性エリテマトーデスやステロイドを摂取している場合

重大なストレス

など

症状

妄想や幻覚、まとまりのない発語や行動、緊張病性の行動

少なくとも1つの症状が1ヶ月未満の間に出現

治療法

  • 精神的な支援

  • 抗精神病薬

パーソナリティとは、思考や知覚、反応など長期にわたり比較的安定している対人関係のパターンを意味しています。

パーソナリティ障害では、対人関係における機能に障害が生じます。[21] 

治療は短期間ですが、再発しやすい障害です。1ヶ月以上症状が続く場合は、別の病気を発症していると考えられるため、再度専門家に相談しましょう。

統合失調感情障害[22]

統合失調感情障害とは、精神病症状と気分症状(抑うつ症状または躁状態)が一緒に出現している場合に発症の可能性が考えられます。

病気にかかっている期間全体の半分異常にわたって気分症状が存在しており、かつ、統合失調症の症状が2つ以上一緒に出現していることが必要です。

原因

明確には判明していない

ストレスが要因と考えられている

症状

妄想や幻覚、支離滅裂な発言・行動、統合失調症と同様の陰性症状

治療法

  • 抗精神病薬などの薬物療法

  • 精神療法

  • 地域やNPO団体などによる包括的な支援

 統合失調感情障害は統合失調症と躁うつ病の中間の病気とも言われています。障害を判断するためには、長期にわたって症状や障害の進行の特徴の評価が必要です。

統合失調症様障害[22]

統合失調症様障害とは、統合失調症と同じ症状が出現しますが、症状の出現期間は1〜6か月しか続かない障害です。

原因

統合失調症と同じ

  • 遺伝的な要因

  • ウイルスによる感染症

  • 子どもの頃の暴力やネグレクト

  • 環境の変化によるストレス(例.失業や貧困、失恋など)

     など

症状

統合失調症と同じ

  • 解体症状:思考障害、奇異的な行動

  • 認知症状:情報処理の障害、問題解決の障害

     (例.注意、他の人の視点を理解できない、学習能力の低下)

  • 陽性症状:正常な機能に歪みが生じる

     (例.幻覚、妄想、精神運動興奮、昏迷)

  • 陰性症状:正常な機能や感情の減弱、喪失

     (例.抑うつ、無気力、倦怠感、感情の平坦化)

治療法

  • 抗精神病薬などの薬物療法(症状が消失して後から12カ月間の継続が必要)

  • 支援的な心理社会的ケア

 症状が出現してから6か月以上続く場合は、統合失調症の可能性が最も高くなります。

初めに統合失調症の症状が出現していても、他の病気の可能性を考えながら病気を判断するため、長期的な診察が必要です。

また、症状が消失しても再発リスクがあるため、経過観察の必要は高いと言えます。

うつ病[13] [14]

うつ病とは、身体的な機能や日常生活を妨げるほど、興味や喜びを感じなくなり、持続的な悲しみを特徴とする病気です。

原因

明確には判明していない

脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減少していると考えられている

遺伝的な要因やストレスなどの本人を取り巻く環境も要因とされている

症状

以前は楽しいと感じていた活動や趣味に対して、興味や喜びを感じない

集中力の低下、慢性的な疲労感、睡眠障害、無表情、活動できない、考えや感情がまとまらない、不安症 等

治療法

  • 薬物療法(効果が出るまで1~4週間程)

  • 精神療法

  • 精神的、身体的な支援

 うつ病は頭の中で思考がまとまらず、常に頭の中が忙しいと感じる場合があります。

統合失調症との相違点は、誰かに責められると感じたり、誰かの声が聞えたりする症状はほぼありません。

しかし、「自分はもういない方がいい」と考えて自傷行為や自殺を考える場合や、誰かに暴言や暴力など攻撃的な行動をする場合があるため、

うつ病の方と関わる周囲の方も注意が必要です。

うつ病は軽度・中等度・重度と分類され、状態に応じて治療法を変えて対応します。

頭の中で考えがまとまらずうるさいと感じている方や、ひどく気分が落ち込み日常生活に支障が出ている場合は心療内科・精神科の受診をおすすめします。

頭の中がうるさいと感じる他の病気は?

頭の中がうるさいと感じる病気は、統合失調症だけではありません。精神的な病気ではなく、神経の異常や身体的に問題がある場合も頭の中がうるさく感じることがあります。

先述した統合失調症の症状で幻聴について解説していますが、自分自身の症状と相違点がある場合は、今から紹介する病気と自分自身の症状を比較してみてください。

では、統合失調症以外に考えられる病気を5選紹介していきます。

メニエール病

メニエール病は、自分や周囲が突然回転しているように感じるめまいの発作が繰り返し生じる病気です。[8]日々の生活の中で突発的に症状が出現します。

原因

明確には判明していない

耳の内耳(ないじ)と呼ばれる器官にある液体が増量するため、症状が出現すると考えられている

症状

回転性めまい

耳が圧迫されるような感覚や難聴、耳鳴、吐き気や嘔吐

治療法

  • 生活習慣の改善(塩分、カフェイン、アルコールを控える)

  • 水分を体外に排出する薬(利尿剤)の使用

  • 回転性めまいの発作を和らげる薬の服用(吐き気止めや気分を落ち着かせる薬)

  • 内耳の構造を変えるための手術

メニエール病のめまいは1〜6時間続くことが多く、めまいの出現に伴い耳鳴りも出現します。

耳の中が詰まっているような閉塞感を感じる方もおり、周囲の方の声が聞こえにくかったり、音が耳の中にこもったりする症状から「うるさい」と感じる方もいるでしょう。[8]

メニエール病を完治させるのは困難であり、大半の方が難聴になり、今後の人生を共に過ごすことを余儀なくされます。

頭の中がうるさいと感じる際に、めまいや吐き気を伴う場合はメニエール病の可能性もあるため、耳鼻咽喉科・頭頚部外科の受診がおすすめです。

自律神経失調症

自立神経は交感神経と副交感神経の2種類に分けられます。自律神経失調症とは、身体の機能である自律神経が正常に機能しないために生じる症状の総称です。

原因

ストレスや不規則な生活習慣、ホルモンの乱れ

症状

聴覚過敏、頭がぼーっとする、眠れない、慢性的な疲労感、だるさ、頭痛、めまい、動悸、情緒不安定、不安感、イライラ

治療法

  • 生活習慣の改善

  • ストレスのコントロール

  • ホルモン剤の内服

自律神経失調症で出現する症状の一つである聴覚過敏が、周囲の音がうるさく感じたり、頭の中に音が響いたりします。幻聴ではなく、実際に周囲が発している音に反応します。[10]

実際に聞こえる音が頭の中でうるさいと感じる方や、常に上記のような症状で日常に影響がある方は、心療内科・精神科への受診がおすすめです。

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDとは、多動や衝動性、不注意を特徴とする発達障害の概念の一つです。学校に通いだす、または通っている子どもに発症しています。[11]

しかし、医学的な検査で病気を診断するのではなく、対象となる子どもの行動から判断していきます。

原因

明確には判明していない

遺伝的な要因、脳のドーパミンという神経伝達物質の障害によるものだと考えられている

症状

気が散りやすい、集中できない、順序を決めた活動ができない、待つことが苦手、じっとしていられない

治療法

  • 子どもがのびのび育てる環境

  • ADHDの症状が軽減する可能性があるとされている薬剤

周囲の音や話し声に敏感に反応してしまうため、頭の中で考えを整理できず頭の中がうるさいと感じる子どもが多いです。

また、認知機能は低下していないため、自分と周囲の人との違いを感じると「なぜ自分はできないのか」と否定的な考えを持つ可能性があります。

落ち着きがないからと子どもを押さえつけるように関わると、精神的な病気を併発するかもしれません。

ADHDの診察を考えている方は、心療内科・精神科の受診を検討してみてください。

頭内爆発音症候群

頭内(とうない)爆音症候群とは、眠るときや夜中に目が冷めたとき、突然大きな音が頭の中で鳴りだす病気です。[12]発症率は中高年の方が多いとされています。

原因

明確には判明していない

精神的なストレスや睡眠と覚醒を制御する脳の機能が低下するためと考えられている

症状

眠るときや夜中に目が覚めたときに頭の中で音が響く

爆発音やショットガン、ドアを勢いよく閉めた音、楽器の音など

症状の出現頻度は、週に数回から月に1回程度の場合もある

治療法

自然に回復、予後は良好

症状は自然に回復するが、入眠時への恐怖感を抱いたり、入眠を拒否したりするような睡眠障害を引き起こす可能性があります。

急に頭の中で爆発音が聞こえ、恐怖や不安を感じる方は、睡眠外来や脳神経内科の受診をおすすめします。

頭の中がうるさいと感じる人の共通する特徴

頭の中がうるさいと感じる人の共通する特徴は下記のとおりです。

  • 精神的・身体的なストレス

  • こころのSOS

  • 日常における失恋や受験の失敗、仕事が上手くいかないなどのショックな出来事の積み重ね

  • ストレス耐性が低い

日常生活で仕事や勉強、育児など自分自身が頑張っていた物事でストレスを抱え、ストレスを上手く対処できない方もいるでしょう。

ほとんどの方はストレスと上手く付き合っていけるかもしれません。

しかし、ストレスが大きすぎる場合かストレス耐性が低い場合は、精神的だけでなく身体的な障害となります。

頭の中がうるさいと感じたり、音や声が騒がしいと感じたりしている人はこころがSOSを出しているかもしれないと考えましょう。

頭の中がうるさくなる前にできる対処法は?

頭の中がうるさくなる前にできる対処法として、下記のような方法があげられます。[15]

  • 考えがまとまらず頭の中がうるさいと感じている方は、原因となっている考えから意図的に遠ざかる

  • スポーツや身体を動かす

  • マインドフルネス瞑想を行う

  • 集中できそうな物事を行う

  • 自然豊かな場所を散歩する

  • 休息をとる

「頭の中がうるさくなりそう」や「頭の中がうるさいのを何とかしたい」という場合には、意図的に別の物事に取り組むようにしましょう。

身体を動かすのは気分や体力、注意力、社会的な交流への感謝の気持ちが改善される可能性があります。[16]

また、マインドフルネス瞑想もおすすめです。この瞬間の体験に意図的に意識を向けて、ただ心の働きを見るという考え方です。[17]

自分自身の心の中を感じることに集中し、心の状態を知るとストレス緩和に繋がり、頭の中がうるさいと感じにくくなるかもしれません。

こころの状態と向き合うためにもまずは休息をしっかりと取り、こころと身体を休めることがおすすめです。

ストレスからくる不調とは[23]

本記事で紹介したほとんどの病気や障害で「ストレスが原因」と説明してきました。ストレスは生きていく中で避けられないものです。

ストレスを感じたときに現れる症状や気持ちの変化を知り、ストレスと上手く付き合うことで頭の中がうるさいと感じたり、騒がしいと感じたりしないようになるかもしれません。

ストレスを感じたときに現れる症状を紹介します。下記の症状が2週間以上続いている場合は、精神障害の可能性が高いため専門家に相談しましょう。 

  • 悲しみや不安を感じる

  • イライラしたり、緊張したりする

  • やる気がでず、無力感を感じる

  • 寝つき、または目覚めが悪い

  • 食欲がなくなる、または食欲が増加する

  • アルコールの摂取量や喫煙量が増える

  • 趣味や好きなことに消極的になる

  • 身だしなみが整えられなくなる

ストレスを感じる環境的な要因は、日々の生活や職場の出来事で起こります。

小さなストレスの積み重ねや一つの大きなストレスで症状が出現するため、自分自身が何に対してストレスを感じたのか原因を見つけることも大切です。

ストレスの原因を知り、原因を排除したり、心身ともに回復するために十分な休息を取ることでストレスと向き合い対処していきましょう。

頭の中がうるさいと感じる症状に関するQ&A

頭の中がうるさいと感じる症状に対して、多くの方が感じる疑問について解説していきます。

自分自身が頭の中がうるさいと感じている方だけでなく、家族等が症状を訴えている場合も把握しておくのが大切です。

今回は、3つの疑問を紹介します。

  • 症状が出てきたときは、何科の病院に受診するべき?

  • 自分で治すことはできるの?

  • 自分or家族が統合失調症かも。どうしたらいい?

順番に解説していきます。

症状が出てきたときは、何科の病院に受診するべき?

頭の中がうるさいと感じる場合は、心療内科・精神科に受診するのが一般的です。

しかし、頭の中がうるさいと感じる理由や症状によっては、耳鼻咽喉や頭頚部外科への受診がいい場合もあります。

本記事で紹介した病気と症状から、何かの病院に受診すべきかまとめました。

心療内科・精神科

耳鼻咽喉科・頭頚部外科

経過観察でも可

  • 頭の中に誰かの声が聞える

  • 常に責められている気がする

  • 不安感が強い

  • 眠れない

  • 起き上がれない

  • 集中できない

  • 感情が動かない

  • 行動に落ち着きがない

  • 無気力

  • キーンという耳鳴りが聞える

  • 耳に閉塞感がある

  • 突発的にめまいがでる

  • シャンシャンやシャリシャリ聞える

  • 眠るときに爆発音が聞こえる

  • 夜中に目が覚めたときに爆発音が聞こえる

表に記載されている症状は一例ですが、頭の中がうるさくなる症状と比較し、受診する病院を選択してみてください。

自分で治すことはできるの?

頭の中がうるさいと感じる場合は、まずしっかりと休息を取る必要があります。

症状が軽度の場合やストレスの原因となっている環境を変えられるのであれば、症状が変化するか経過観察するのもいいかもしれません。 

しかし、学校や仕事では病名が明確にならないと休息をとるのは困難です。「自分はこの病気なんじゃないか」と自己判断するのではなく、専門家に相談しましょう。

心療内科・精神科への受診はハードルが高いと感じる方もいますが、自分のこころと身体のために今の状態としっかり向き合うのが大切です。

自分or家族が統合失調症かも。どうしたらいい?

自分自身や家族が統合失調症かもしれないと考えている方は、近隣の心療内科・精神科の受診をおすすめします。

統合失調症だけではありませんが、病気は早期診断と早期治療が大切です。

精神疾患の完治は困難であり、症状が悪化すると1人で日常生活を送れない場合も少なくありません。専門家と相談しながら、症状の緩和、回復を目指します。

また、統合失調症の場合では自分の命が狙われているような脅迫観念から、部屋から出られなくなったり、食事に毒が入っていると言い食事を食べなったりするような場合があります。

家族では対処できないと感じたら、専門の病院で入院・治療を考えましょう。[18]

入院形態

内容

任意入院

患者本人が入院をする意思がある場合は任意入院となる

医療保護入院

  • 精神障害があり、医療と保護のために入院の必要があると判断された場合

  • 患者本人の代わりに家族等が患者本人の入院に同意する場合

上記に当てはまる場合は、精神保健指定医の診察により医療保護入院となる

(家族等が連絡取れない場合は、代わりに市町村長の同意が必要)

応急入院

  • 精神障害があり、医療と保護のために入院の必要があると診断されたものの、家族等の同意を得られない場合

精神保健指定医の診察により、72時間以内に限り、応急入院指定病院へ入院となる

措置入院

2名以上の精神保健指定医の診察により、精神障害のために自傷行為や他人に危害を加える恐れがあると判断された場合

都道府県知事の権限により措置入院となる

緊急時には上記のような方法で入院してもらうことが可能です。自分自身や家族、知り合いだけでなく医療制度の利用も頭にいれておくと、いざというときに役に立つでしょう。

病気や症状を1人、または家族等だけで悩まず地域の制度を利用し、専門家の指示を受けながら向き合っていくことが大切です。

まとめ

頭の中で独り言が止まらない方や、頭の中がうるさいと感じる方はまずは休息をしっかりと取りましょう。

統合失調症や自律神経失調症、ADHDなど頭の中がうるさいと感じる原因は様々です。

症状に悩んでいる方は、1人で悩まずに専門家へ相談をおすすめします。薬や精神療法で症状を緩和し、症状と共に自分らしく生活できるように整えていきましょう。 

参考文献

[1] 統合失調症│e‐ヘルスネット(厚生労働省)

[2] 精神疾患を有する総患者数の推移

[3] 統合失調症-08.精神障害-MSDマニュアル プロフェッショナル版

[4] 統合失調症とは?│国立国際医療研究センター病院

[5] 統合失調症薬物治療ガイドライン2022│日本神経精神薬理学会│社会貢献・情報発信

[6] 統合失調症│標準医療情報センター

[7] ピアサポートの活用を促進するための事業者向けガイドライン│厚生労働省

[8] メニエール病-19.耳、鼻、のどの病期-MSDマニュアル家庭版

[9] 自律神経失調症│e-ヘルスネット(厚生労働省)

[10] 音が気になる(聴覚過敏)【自律神経失調症の治し方】-(有)せいゆう薬局

[11] ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療│e-ヘルスネット(厚生労働省)

[12] 睡眠時に突然大きな音 ~頭内爆発音症候群(日本大学医学部付属板橋病院 金子宜之助教)~

[13] うつ病-10.心の健康問題-MSDマニュアル家庭版

[14] うつ病│こころの病気について知る(厚生労働省)

[15] ぐるぐる思考(反芻思考)の傾向と対策│心療内科・精神科│新宿ストレスクリニック

[16] Serge Brand, et al.(2018), Acute Bouts of Exercising Improved Mood, Rumination and Social Interaction in Inpatients With Mental Disorders. 2014

[17] 日本マインドフルネス学会

[18] こころの情報サイト│精神科の入院について

[19] 「精神疾患」「精神障害」「精神病」の違い│メンタルヘルス│ミーデン株式会社

[20] 短期精神病性障害-08.MSDマニュアル プロフェッショナル版

[21] パーソナリティ障害の概要-08.精神障害-MSDマニュアル プロフェッショナル版

[22] 統合失調症様障害-10.心の健康問題-MSDマニュアル家庭版

[23] ストレス軽減ノウハウ│こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

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